障がい者雇用の取り組み vol.004
2012/12/05

『やってみなはれ』
スピリットのもと
多様な人材が
活躍できる企業へ

プロフィール

サントリーホールディングス株式会社

人事本部 ダイバーシティ推進室 室長
平井 弓子

サントリーグループの総意として
ダイバーシティ経営の推進を打ち出す

2009年4月1日、サントリーグループは「サントリーホールディングス株式会社」を新設し、持株会社に移行しました。ホールディングス化の大きな目的の一つが、総合酒類食品会社としてグローバル展開をいっそう強力に推し進めることです。グローバル経営は、人材の採用と活用についても国際基準に沿うことが求められます。人材の多様化、つまりダイバーシティ政策の推進です。グループの中でこの政策を統括的に司るのが、2011年4月に組織がスタートした「ダイバーシティ推進室」。室長は、今回お話をうかがった、平井弓子さんです。

「2012年1月、サントリーでは、全世界のグループ企業マネージャーによる総合会議の場で、ダイバーシティ経営への転換を表明しました。打ち出した理念は、『異なる意見や考え方、異なる文化を受け入れ、そこから価値を創出していく』です。指針としては、『年齢を超える』『性別を超える』『国境を超える』『ハンディキャップを超える』の”4つの超える”を設定。理念と指針を徹底して浸透させ実行していくことをグループ全社で確認しました。さまざまな人材が集い、もてる能力を存分に発揮し、活躍できる企業環境。そこから新しい価値の創出を行っていく。それを形にするのがダイバーシティ推進室のベースとなる活動目標です」

従来からサントリーは、「面白い人材、つまり、個性あふれる人物が力を発揮できる会社」として広く知られていました。この”面白い人材”に属性は無関係。そのため障がいのある方々についても、属性を意識することなくごく自然な形で採用を行ってきたという歴史があります。

「ですから、ダイバーシティの考え方が、急に降ってわいてきたわけではありません。多様な人材に活躍の場を提供し力を発揮してもらうという風土は、創業以来110年余り脈々として息づいています。グローバル展開の中で、その風土に関し、単に伝統にとどめることではなく、経営方針として内外へ向け明確に打ち出し実行に移す。今回のダイバーシティ経営への転換の意義と意味は、そこにあります」

「やってみなはれ」スピリットのもと
グループの総力を挙げて環境整備に取り組む

Nここからのお話は、”4つの超える”のうちの「ハンディキャップを超える」に重点が移りました。

「ダイバーシティ経営推進の中で、障がいのある方に関する採用と入社後の環境整備については、まだ緒に就いたところです。

採用面での具体的な活動としては、グループ内で先進的な取り組みを行っている会社が蓄積したノウハウを共有する場をもちました。これをベースに、採用を円滑に進めるための各種支援をダイバーシティ推進室が行っていきます。サントリーグループが、総合酒類食品会社として幅広い事業を展開していることは広く知られているところです。そして、グループ企業で設けた合同面談会に参加いただいた方々からお話をうかがうことで、サントリーの事業ウイングと皆さんのご希望とがかなりマッチングすることがわかりました。この接点づくりをさらに広げていく方針です。

採用と表裏一体で重要ととらえているのが、職場・職域の拡大と創出です。従来からサントリーでは、属性で職場・職域を限定することはありませんでした。これも採用同様、サントリーの”自然体”の歴史です。その”自然体”を、職場・職域の拡大・創出という方針に沿って、グループ全社への定着をはかる。すでに新しい組織を立ち上げる際、障がいのある方が仕事をしやすい体制を整えた上でスタートさせた例もあります。このケースは、職域の創出にあたるでしょう」

「未知への挑戦と新しい価値の創出」は、
サントリーの得意とするところ。

「未知への挑戦と新しい価値の創出」は、サントリーの得意とするところ。
「創業から今日にいたるまで、サントリーは『やってみなはれ』を合言葉として、価値のフロンティアに挑み続けています。この『やってみなはれ』スピリットのもと、サントリーに集う多様な人材に十二分に能力を発揮してもらう。サントリーは、グループの総力を挙げて、誰にでもそれが実感できる環境を生み出していきます」

ダイバーシティ推進室新設から2年半、ダイバーシティ経営への転換をグループの総意として打ち出してから2年弱。活動は着々と実績をつくりつつあります。

この記事をシェアすることができます。

トップに戻る

障がい者雇用の取り組み BackNumber