障がい者雇用の取り組み vol.08
2013/03/14

障がい者と共に働く
意義を8万6000人の
従業員すべてに
浸透させる

プロフィール

日本電気株式会社(NEC)

人事部 シニアエキスパート
芝尾 和昭

One NECとしての
「障がい者雇用推進中央会議」の活動

NECの従業員数は、単独で約2万4000名、グループ連結では約8万6000名にのぼります(2012年3月末時点)。同社ではこの8万6000人すべてに、「障がいのある人と共に働く意味・意義をきちんと理解してもらう」ことを重要なコンセプトにOne NECとして種々の活動を行っています。その中核にあるのが「障がい者雇用促進中央会議」です。

「中央会議は、議長を副社長が務め、各ビジネスユニット(事業部)の部門長を委員として構成されており、さらにビジネスユニット内にも各事業部の責任者を委員とした委員会組織が設けられています」

推進会議では、毎年、講師を招き人権啓発に関する講演会を行っています。2013年2月に開催された講演会のテーマは「障がい者雇用と人権 ~障がい者雇用を通してダイバーシティを考える~」でした。

「参加者は、中央会議や各ビジネスユニット会議の委員、国内グループ企業の人事責任者および障がい者雇用推進担当者で、およそ200名。中央会議の活動ですから、基本的には委員全員が参加、グループ企業からも多数の方が参加しました。そして、講演会の内容を職場内で共有し、従業員一人ひとりの意識向上をはかっていきます」

この活動はグループ全体で行っている障がい者雇用、広い意味ではダイバーシティに関する啓発および情報の提供です。その一方で芝尾さんたち障がい者採用を担当する人事のスタッフは、個別事案への対応も活発に行っています。

「例えばグループ会社から『障がい者雇用に関して現在より職域を広げることを考えているのだが』という相談があった場合、その会社でどのような仕事が創出可能なのか、雇用形態をどうするかなどポイントとなる話を聞き、導入に際して障がい者がもっともなじみやすい働き方などについてアドバイスや提案を行います。そこから『ここから始めましょう』という相談の結果が成功事例になることで、職域の拡大につながることになります。中央会議や各ビジネスユニット会議そしてNECグループ人権啓発推進員研修で、障がい者雇用を円滑に展開しているケースについて、社内外の事例を紹介しています」

もともとNECの職域はきわめて広く、すべての社員が制限なく働ける環境です。そこにグループ会社の職域も加わるわけです。

雇用機会と業務領域の創出を
実現させ続けていくことが役割

障がいの有無にかかわらず、社員に関するNECの基本的な姿勢は「できることは自分で、できないことは助け合って」というものです。芝尾さんからこれに関係する一つのエピソードを話していただきました。

「毎年11月、有楽町の東京国際フォーラムで『C&Cユーザーフォーラム』というお客様へ当社の製品やサービスを知っていただく大きなイベントを開催しています。そこには、さまざまなサービスや製品のデモンストレーションを行う展示ホールが設けられます。このイベントには何千人ものお客様が来場されるのですが、当然、聴覚に障がいのある方が来られることも想定されます。また、聾学校の生徒の方々をお呼びするケースもあります。そこで数年前から、当社の手話サークルに所属している聴覚に障がいのある社員の中から有志を募り、説明員として配置することにしました。製品の知識を得る研修、会場のレイアウトを事前に見学する研修を経て、自信をもってお客様のサポートにあたります。多くの社員にとって、ユーザーに対し直接製品を説明するチャンスはそう多くありません。彼ら彼女らはその経験を通じて、会社の事業に参画している意識を向上できたはずですし、併せて通常の業務に対するモチベーションも高まったことでしょう」

「また、手話サークルのメンバーの多くは、聴覚障がいの社員で、現在、週1回のペースで手話の入門講座を開いています。講師はサークルのメンバーで、参加者は彼ら彼女らの職場上司や同僚たちです。この取り組みは私たち人事部門が音頭を取ったわけではなく、自分たちで企画し自分たちで動いて実現させたものです。会場のことなど、支援をして欲しいことがあれば、私たち人事担当へすぐに相談できる環境も整えています。

彼ら彼女らの働きかけで、職場のコミュニケーションが深まっていることを実感しています。
『障がいのある人と共に働く』という点は、NECの社員の意識にも大きな影響を与えていると思います。

企業としてコンプライアンスを守るのは当然ですが、ただ遵守をすれば良いわけでなく、そこを超えたさまざまな働きかけを行うことが大切だと考えています。さらに重要なのは、雇用機会と業務領域の創出を模索し実現させ続けていくこと。それが私たちの役割だと思っています」

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