障がい者雇用の取り組み vol.019
2013/07/19

多様な人材を
受け入れるために
社内の意識変革を
進めていく

プロフィール

日本農薬株式会社

管理本部 人事部 専任課長
四倉 敏治

地域との連携を始め、
地道な取り組みを大切に進めていく

日本農薬株式会社「当社では、ダイバーシティに関する取り組みを積極的に行っていくために、多様な人材と考え方が受け入れられる土壌と、それにふさわしい社風を作っていこうという、経営から強いメッセージが発信されています」

こう話されるのは、人事部専任課長の四倉敏治さん。

「当社が推進するダイバーシティの施策を大きなカテゴリーでいえば、女性の活用、高齢者の活用、外国人の採用、障がい者の採用の4点です。

障がい者の採用活動を行う中でお会いする方たちは、働くことについて熱心に語られます。お話をうかがうたびに、皆さんの想いに何とか応えたいと感じています」

しかし採用は、意欲だけで成功するものではありません。このことについて日本農薬では十分に承知しており、したがって担当の四倉さんの採用活動も地道に進められています。

「当社の大きな事業所は、東京の本社(中央区)と大阪の総合研究所(河内長野市)の2カ所です。現在、この本社と総合研究所で雇用を増やすことを考えています。ことに総合研究所の場合は、河内長野市でトップクラスの企業ということで認知度も高く、そのため『地域に根ざした採用』を目標とするプランを進めようとしている最中です。具体的には、地域の特別支援学校やそれに準じた学校との連携ですね。それらの学校から必ず毎年採用する流れを、地元と一緒に作っていきたい。まだこうした関係構築のために何をすべきか検討をしている段階ですが、是非、ハローワークとも連携しながら実現させたいと思っています」

地元との連携で障がい者採用の道筋をしっかりと作る。この地道な取り組みを大切にするところが、日本農薬の大きな特徴です。

採用を進めるにあたり
社内の理解促進に力を入れていく

多様な人材を受け入れることは、どの企業にとっても大きなテーマです。
そのための取り組みについて四倉さんに伺いました。

「ちょっとした配慮があれば、障がい者の採用は難しいことではありません。このことを現場のリーダーたちに学んでもらいたいと感じます。受け入れる側の意識を変えれば多様性の実現は進んでいくはずです。この意識を変えていくことが私たちの役割だと感じています」

現在、日本農薬では、中途採用はハローワークによる紹介、新卒採用については自社での取り組みによって進めています。

「中途採用については、ハローワークからの紹介を受けて動いています。職場見学に来ていただくなど、採用に向けて様々な取り組みを行っています。以前は人物的に良い方がいても、現場のニーズと求職者の経験やスキルが合わず、採用まで至りませんでした。しかし、今ではそうした方に合わせた仕事を用意することの必要性について現場の理解が進み、採用への道筋がつくれる体制ができ上がりつつあります。

新卒採用においては、説明会や採用面接に現場の社員を参加させることで、周りの協力さえあれば問題なくコミュニケーショがとれることを理解してもらう。その結果、これまで採用実績がなかった研究職での採用を行うことができました。

今回の新卒採用時に感じたのは、様々な仕事に挑戦していきたいという意欲的な障がい学生が多く、また、社会貢献を意識して、食糧問題の改善や農業発展に携わりたいという熱意を感じられる応募者も多くいること。そのため、新卒学生の採用にも力を入れていきたいと考えています。来季は採用スケジュールをしっかりと組み、お互いの理解を深めていく機会を作っていきたいですね」

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