障がい者雇用の取り組み vol.032
2014/02/26

事業の幅の広さが
多様性を受け入れ
誰もが活躍できる
環境を生んでいる

プロフィール

三菱電機株式会社

人事部 採用グループ マネージャー
高石 圭悟

事業が多様であるからこそ
多様な個性が活躍できる

三菱電機株式会社人事部採用グループのマネージャー、高石圭悟さんは、「障がいの有無にかかわらず」として、人材採用に関する基本姿勢を次のように話してくださいました。

「新卒者の場合、これまでご自身が身につけた知識や経験を当社の事業の中でしっかりと発揮し活躍していただくこと。そのような人材の採用を常にめざしています」

高石さんが言われる「ご自身が身につけた知識や経験」とは、どのような内容になるのか、その点に言及していただきました。

「障がいの内容や程度で異なるにしても、多くの方は日常生活の中で不便に感じることを解消するため何らかの工夫をされてこられたことでしょう。こうした大小さまざまな創意工夫の経験は、非常に貴重なものだと思います。また、自身の障がいとしっかり向き合い、さまざまな困難を自分の考えと力で克服してこられたはずです。その過程で培われたみなさん独自の人生観や価値観は、ダイバーシティを推進する当社の姿勢につながるであろうと考えています」

高石さんの話は、多様性を活かすための“場”へと進んでいきました。

「当社の位置付けは、総合電機メーカー。事業は12分野で進められており、その幅の広さおよび総合性を『家電から宇宙まで』という言葉で表現しています。事業は、国内だけでなくグローバルに展開されており、とりわけ当社の強みである“社会インフラ事業”は注目を集め、拡大路線を進んでいるのが現況です。三菱電機を理解していただくのと併せ、事業にも興味を示していただければ、その中からご自身の能力を活かすことのできる場、つまり製品や仕事を必ず発見していただけると確信しています」

“事業が多様であるからこそ、多様な個性が活躍可能な場を提供できる”三菱電機の強みは、障がい者雇用に関し、将来にわたる可能性の高さに通じていると言ってよいでしょう。

「人を大切にする会社」だから
独自の「人の育て方」ができる

障がいの有無に関係なく社員に対して、三菱電機では「その人の能力を活かす」という意味で“戦力”として期待しています。その一方で同社では、「期待する」からには、能力を発揮し活躍するための施策を整える取り組みも忘れてはいません。

「施策は、全体的なものと各人に対応するものとで行います。全体としては『職場環境基準』を設けており、その中で障がいのある方について働きやすい職場環境をつくることで、バリアフリーも含めた様々な規定を定めています。ただ、当社は2020年度に創業100周年を迎えるという歴史があり、それだけにすべての建物や設備が規定の環境にあるわけではありません。しかし、新規建設や建て替え等の際には基準に従って環境を整えていますので、環境改善は進められてきています」

一方、個別に対応する施策は、次のように行われます。

「入社の際、自分の能力をしっかり発揮できる環境かどうか、本人の意見を検討し、配属先の最終決定につなげていきます。そして、配属先が個々にとって働きやすい環境にするべく改善をはかっていくという流れです」

高石さんは、働きやすい職場づくり、風土づくりにとってもっとも重要なのは「コミュニケーションです」と話します。

「職場の同僚や上司とコミュニケーションをしっかりとれる環境であれば、一緒に働いている仲間意識が醸成され、その結果、活き活きと仕事ができるようになる。コミュニケーションといっても決して構えたものではありません。要するに、日常のあいさつですね。その積み重ねが、働きやすい職場づくり、風土づくりにつながっていくのだと思います」

よく“人の三菱”と言われますが、三菱電機の従業員にとって、これは「人を大事にする会社」という意味でもあります。

「新卒入社の社員全員に、3年間、一対一で先輩のトレーナーが付きます。企業人としてのスタートにあたり、その基礎となる知識から仕事の実務面まで教え込んでいく。『人を育てる仕組み』と考えてください。もちろん、トレーナーは仕事上の悩みなどの相談にも乗ります。たとえるならば“職場の頼れる兄貴”でしょうか」

「人を大事にする」ということで、高石さんは三菱電機独特の“心情”を紹介してくださいました。

「自分がグループを動かすポジションに就くと、『グループは一つの家族』という意識をもつようになります。そして、『家族だからみんなに活躍してほしい』と思う。活躍するためには、何をすればよいのか。一人ひとりの強みと弱みを把握し、強みはさらに伸ばすよう、弱みはその面のレベルアップをはかるよう力を尽くす。コミュニケーションを活発にすることで、それを実現させていくのです」

「みんなに活躍してほしい」とは、「みんなに幸せになってほしい」ということはいうまでもありません。

一人ひとりのやる気「情熱」をチ-ム「組織」として発揮する、それが三菱電機のスタイルです。

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