障がい者雇用の取り組み vol.45
2015/06/25

社員の個性を活かし
多様なニーズに応える
情報を発信する

プロフィール

読売新聞社

総務局人事部 次長
吉山 隆晴

互いをフォローし合う風土のもと
各人が個性を活かした紙面づくりを行う

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読売新聞は世界最大の発行部数を誇ります。また、取り上げるニュースの分野も多岐にわたっています。多くの読者に幅広い分野のニュースを提供するため、作る側に不可欠なのが多様な個性。読売新聞社では各人が個性を発揮することで、良い紙面づくりができると考えています。

そんな同社では人材の多様性を尊重し、性別、国籍、年齢、障がいの有無等に関係なく、積極的な採用活動を行っています。障がい者の採用を積極的に行う上で不可欠なのが、障がいに対するサポートです。

「当社は面倒見の良い会社だと思います」
こう話されるのは、今回話をうかがった総務局人事部の吉山隆晴次長です。
「先輩と後輩、上司と部下、そして同僚。互いに必要な情報をしっかりと伝え、互いを理解し合います。その上で、誰かが仕事をする上で困難な状況があったとします。そんな時、フォローし合いながら仕事を進めていく。これが、『同じ職場の仲間として一緒にやっていく』という当社の風土です」

例えば、校閲は「原稿の記述をあらゆる角度からチェックする」のが仕事なので、電話による確認や問い合わせが必要な時があります。しかし聴覚に障がいがある場合、電話でのやり取りには少なからず困難が伴うわけです。これを、先輩社員が「代わりに電話のやり取りをし、本人に内容を伝える」というサポートで解消しています。

「何か一つできないことがあったとしても、誰かがその部分を補えば、できるようになることは多数あります。私たちは入社前に、面接などを通じて障がいの内容や必要となるサポートを詳しくたずねます。そして、その方の入社が決まった際には、配属部署にその情報を伝えます。結果、会議時に先輩がPC要約を行って情報共有を図るなどのサポートが行われるのです」
これらのサポートがどの職場でも自然に行われるのは、前述の風土があるからこそ。
「実際、定期的に行う人事による個人面談で、『周囲とのコミュニケーションが難しく、仕事がやりにくい』というような悩みの相談はほとんどありません」

「働きやすい環境」を整備することで
職域の壁を壊し可能性を広げる

「できないことがあっても職種を制限しない」読売新聞社では、障がいの有無に関係なく職種別採用を行っています。
「新聞社には『職種のデパート』といわれるほど多種多様な職種があります。近年ではインターネットや携帯電話など、新聞以外のメディアの開発が進んでおり、職種は広がるばかり。もちろん、こうした新しい職種でも障がいのある社員が『プロ意識』をもって活躍しています。そのために必要なサポートは、当然惜しまず行います」

多様な個性がプロ意識をもち、できることをしっかりと行うためには、「働きやすい環境」が求められます。
「2014年、読売新聞東京本社は大手町に本社社屋を建設しました。本社敷地とビル内がバリアフリーなのはもちろん、車いす用のエレベータ、トイレなども完備しています。また、本社内には『読売クリニック』という診療所があり、いわば“かかりつけの医院”という感じで利用してもらえます。さらに、自動車通勤も相談のうえ認めています」

「働きやすい環境」では、ワーク・ライフ・バランスへの取り組みも重要です。
「2014年、当社の取り組みが評価され“ワーク・ライフ・バランス大賞”で優秀賞を受賞しました。マスコミ業界では初の受賞です」
受賞理由の概要は「労使による『ワーク・ライフ・バランス協議会』設置と、事業所内保育所設置で両立支援」というものです。
「新聞社の仕事は激務と捉えられがちで、たしかにそうした面もあります。しかし読売新聞社では、休暇や育児など『生活』に関するさまざまな制度を設け、多様な働き方が広がっています」

こうした同社の姿勢が職域の壁を壊し、障がいのある社員の可能性を広げているのです。
「以前、人事部の採用担当に車いすのスタッフが在籍していました。会社説明会を開催するため、新幹線や飛行機でいつも一緒に出かけていました。会場ではプレゼンテーションや司会を担当することが多く、そこでの活躍はみごとなものでした。会場の設定、バリアフリー、移動時の介助など、必要なサポートさえあれば能力を十分に発揮してもらうことができます」

吉山さんは読売新聞社の風土について「お互いがお互いを理解し合い負担できるところはシェアをする。そして、職場の仲間として一緒にやっていく」と言われます。この風土が、今後も障がい者の職域を拡大することにつながっていくのでしょう。

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