障がい者雇用の取り組み vol.080
2018/10/15

多様な人材が
能力を発揮して
活躍することで
企業としての
成長をめざす

プロフィール

株式会社新生銀行

グループ人事部 セクションヘッド
佐々木 準
グループ人事部
GM/ダイバーシティ推進室長
西 玉音

誰もが自分の強みを発揮することで
共に成長できる環境を提供する

ささきさん障がい者、健常者の区分けなく、多様な価値観を有する人材がそれぞれの個性を活かし、同じ職場で働く。たとえできることに違いがあっても、自身の強み・弱みに応じて活躍するという点については変わりがないから――。

「それが新生銀行で大切にしている考え方です」と説明するのは、グループ人事部シニアマネージャーの佐々木準氏です。現在、同社には24人の障がい者が所属し、総務、事務、商品開発、法務、店頭営業など、さまざまな職場で活躍しています。

これまでは中途採用活動がメインでしたが、今後は新卒採用にも積極的に力を入れていく方針です。ダイバーシティ推進室長の西玉音氏は「同時期に入社した同期が共に成長できる。そこに障がいの有無は一切関係なく、お互い助け合いながら一緒に働くのが当たり前の組織にしていきたい」と語ります。
「年齢、性別、国籍にとらわれず、いろいろな人が同様に働いているのが当社の魅力の一つだと考えています」(西氏)

現在、障がい者で一番長く働いている方は勤続33年です。部の中で最も古株になっていますが、在籍している部には必要不可欠な存在となり活躍しています。誰よりも業務に精通しているスペシャリストです。聴覚に障がいがありますが、聴覚以外の感覚が敏感なために、他の誰より細やかな気遣いができると職場では高い評価を得ています。

「本人の希望と会社事情のすり合わせが必要ですが、同じ職種を長く経験することも、さまざまな職種に挑戦することも可能です。強みや、配慮してもらいたい事項は人それぞれで異なります。一律に、配属部署や、異動期間などを決めているわけではありません」(佐々木氏)

弱視の社員との打ち合わせ時には、資料のフォントの表示サイズを大きくしたり、資料の色を変え見やすくしたり、同僚は、当然、必要な配慮をします。同社ではハードではなくソフトの更なる充実をめざしています。いつ、どんな時でも誰かに気軽に相談できる環境を整備し、障がいの有無に関係なく、社員皆が安心して働ける職場、社員同士が助け合い、支え合える風土を醸成しようと考えています。

「本人が持てる力を仕事で発揮でき、成長できるフィールド、チャンスが与えられる職場であることが理想です。入社したからには、長く活躍していただきたいと考えています。最初は契約社員としてのスタートですが、年に一度、正社員登用試験を受けるチャンスを用意しています。実際に、これまで多くの方が正社員に登用されています」(西氏)

自由闊達で主体性が問われる職場
新生Wayが示す心の拠りどころ

にしさんメガバンクほど規模は大きくなく、地方銀行のように特定地域に強い事業基盤がある業態でもない同社の特徴は、金融ビジネスの未来を先取りしたグループ形態にあります。銀行、証券、信託などの銀行業務だけでなく、カードローンやリースも含めたグループ会社と一体となり、伝統を重んじる金融業界で、既存の枠を超えた新しいビジネスに挑戦しているのです。

柔軟な勤務体系や制度は整っていますが、それは単純に「働きやすさ」のためだけではない、と西氏は強調します。
「キャリアアップのために転職をしようと考える人も増えています。同じ職場にただ長く所属すれば良いという時代ではありません。新生銀行グループ内にはいろいろな業態の企業があるため、ステップアップできる場所もグループ内にあります。そのため、適材適所に人を配置ができれば、会社も、その人自身も成長できるのです」

そんな同社の社風は、いわゆる銀行っぽくないことが特徴です。
「銀行というと堅苦しいイメージを持たれがちだと思いますが、他社を経験し、転職してきた社員も多く、全体的に自由闊達な雰囲気があるところも当社らしさです。決してトップダウンではなく、みんなで意見を出し合いながら業務を進めていく雰囲気があります。その一方で、自分の意見を伝えないと前に進まない場面も多々あります。個々の社員が主体的に働けるかが重要です。受け身で指示を待つ人よりも、自分から会社に貢献したいこと、できること、自身の強みを考え発信できる人が活躍しています」(佐々木氏)

そんな自由な社風は大切にしつつ、迷った時に立ち返る拠りどころ。それが同社のDNAを言葉で表した行動指針「新生Way」です。「新しいこと・モノ・アイデアを楽しもう。」「『できるわけない』を、『できたら面白い』に変えよう。」「お互いの強みをリスペクトしよう。」など、10の考え方が記されています。

この新生Wayの扱いは社員それぞれに任されています。皆で暗唱するなどの強制はなく、「社員の数だけ、いく通りも、その捉え方がある」「異なるバックグラウンドを持つ、多様な人材が集まる新生銀行ならでは」とされているのです。

「当社は広告などの露出も他社ほど多くないので、世間的にはどんな会社だろう、と思われることがあるかもしれません。でも、有名だから良い会社だとは言い切れません。よくわからない部分があっても、その人の働き方に合った最適な職場を提供できるかもしれません。私たちは、障がいの有無に関係なく、その人に合った働き方を提供していきたい。それが企業としての責任だと考えています」(佐々木氏)

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