九州電力株式会社
ビジネスソリューション統括本部 人材活性化本部 人事グループ
課長
末増 亨 氏
1951年の会社創立より70年以上にわたり地域社会に安定して電気を届け、人々の「当たり前」の生活を支えてきた九州電力。その思いは、ブランドメッセージ「ずっと先まで、明るくしたい。」に集約されています。
このメッセージには、どんなに時代や環境が変化しても、変わることなく電力やエネルギーを安定してお届けすること。そして、お客さまにとって快適で、環境にやさしい毎日に貢献していく、という気持ちが表れています。
「このブランドメッセージ『ずっと先まで、明るくしたい。』を実現するために、私たちは2030年のありたい姿として『九電グループ経営ビジョン2030』を策定しました。その中で、人や組織に関してはグループ一体となって安全・健康・ダイバーシティを重視した組織風土をつくること、そして、働きがいのある職場を永続的に追求することを掲げています。性別、障がい、年齢、育児や介護との両立など、その特性や働き方に関わらず、多様な人材が働きがいを感じながら活躍できる環境をめざしています」
そのように、同社の経営ビジョンについてお話しされるのは、ビジネスソリューション統括本部 人材活性化本部 人事グループ課長の末増亨氏です。同ビジョンの実現に向けて、障がいのある方の採用も積極的に行っているそうです。
「九州電力では、採用計画を立て、新卒・中途ともに計画に沿って採用を行っています。その中で、障がいのある方の採用については、障がい者特別選考として、特に定員を定めずに採用活動を行っています。また、正社員、契約社員、パートタイマーなど様々な雇用形態を用意し、フルタイムで勤務したい方、就業時間に配慮が必要な方など、その方に合った働き方ができるようにしています」
現在、同社では本店や各地の支店、事業所で、顧客対応や営業事務、総務・経理・人事・資材調達など、様々な業務で障がいのある方が活躍しています。
「当社は以前から、障がい者の雇用を推進しており、障がいのある方と一緒に働くことが特別なことではありません。そのため、配置する事業所を絞ったり、担当する業務を制限したりすることはありません。もちろん、物理的に必要な配慮は行いますが、社員の労働条件や処遇などは障がいの有無で違いはありません。全ての方がノーマライゼーションの理念に基づき様々な業務で活躍して頂いております」
同社では、配慮が必要な方は、障がいのある方だけとは限らないと考えています。多様な人材にしっかりと能力を発揮してもらうためには、誰にとっても働きやすい環境づくりが不可欠です。
「例えば、当社では休暇制度を充実させたり、就業時間についてはフレックスタイム制や短縮勤務制度を導入しています。有給休暇に関しては時間単位での取得が可能です。そうした制度を、各自のニーズに合わせて通院に利用されたり、子育てや介護に利用される方もいます。障がいの有無にかかわらず、誰もが働きやすい職場環境をつくることが大切であると考えています」
その他にも、各地に人事担当や障害者職業生活相談員、保健師などを配置し、困った時に誰でも相談できるようにしています。また、教育体制を整備し、社員の成長に対しても支援しています。
「私たちは、社員一人ひとりが能力を最大限に発揮することが重要と考えています。そのためには、社員一人ひとりの個性を生かしつつ、成長に向けた環境づくりが必要です。障がいのある方の雇用については、職域の面などまだまだ課題はあります。しかし、誰もが働きがいを感じ、活き活きと働ける職場づくりをめざして、今後も取り組んでいきたいと思っています」
いくら変化があろうとも、多様な人材が活き活きと働ける環境づくりへ。人を大切にしてきた九州電力でなら、実現できるかもしれません。