障がい者雇用の取り組み vol.012
2013/05/02

多様な個性が
力を合わせ
「最高のチーム
になろう」

プロフィール

協和発酵キリン株式会社

人事部 企画グループ マネジャー
金田 宗一郎

障がい者雇用推進を
協和発酵キリングループの統一テーマに掲げる

協和発酵キリンは2008年10月、協和発酵工業とキリンファーマの経営統合によって誕生したキリンホールディングス社傘下の製薬企業です。経営統合の際に、従業員の有志により『私たちの志』という新しい理念が作られました。その『私たちの志』の中には次の一文があります。

『最高のチームになろう。どんな優秀な人間も、ひとりはあまりにも非力で、まちがうこともある。力をあわせた人間というものが、どれほどすばらしい成果を残せるか。それを世界に示したいと思う』

「これは、当社の社員が心の中に抱いている想いを表現したものです」

人事部企画グループマネジャーの金田宗一郎さんは、このように話してくれました。

「文中にある『力をあわせた人間』とは、性別、国籍の違い、障がいの有無に関係なく集まった、多様な個性を有した人々の集団を意味します。『最高のチームになる』ために、協和発酵キリン及びその従業員は多様性を大切なものと認識し、一人ひとりが支援しあい、協働しようと考えています。」

親会社であるキリンホールディングスが2011年に制定した『キリングループ障害者雇用憲章』にはこうあります。

『私たちキリングループは多様性を尊重し、障害のある人も、ない人も、共に働き、共に生きていく社会を実現するために、だれもがいきいきと働けるキリンらしい障害者雇用に取り組んでいきます』

これを受けて協和発酵キリングループでは、2013年2月、「障害者雇用推進宣言」を社長からグループ全社に向けて発信しました。

「社長の意志、会社の意志、そしてグループの意志として、障がいのある方の雇用を現在以上に力強く推進していくとの宣言です」

協和発酵キリングループでは、この統一テーマの下、障がい者の雇用推進をグループ全体で推進しています。

「採用」という多様性の実現にとどまらず
「協働」するために多様性の受容力をどう高めていくか

 「障がいのある方を採用するのは多様性の実現ですが、協和発酵キリングループではそれを従業員一人ひとりが多様性を受容する力を高めることにつなげていかなければならないと考えています」

金田さんは多様性の受容、つまり障がいのある人と協働するためには『物理面でのバリア』と『意識面でのバリア』の解消が必要だといいます。

「物理面のバリアは、入社前に必要な機器やソフトなどに関する要望を伺い導入する、オフィスのドアを一部自動スライド式に改造するなど、バリアを解消する努力を継続的に行っています」

このように物理面のバリアの解消は決して高いハードルではないと協和発酵キリンでは捉えてます。他に紹介いただいた事例でも、聴覚障がいの方で、ミーティングの際には手話通訳を付けることで解消できたというケースもありました。しかし、もう一つの意識面でのバリア、『具体的にはどう対応したらよいのか』という、障がいのある従業員を受け入れる際の不安解消に即効薬はありません。

「事務、研究、生産部門と職域の拡大が進むに従って、障がいのある方と一緒に働く職場は増えています。それに伴い意識面のバリアも確実に低くなっていると思われますが、下肢障がいの方の配属経験があるからといって、他の障がいの方に即応できるかというと必ずしもそうはいきません。そのために、人事部が収集した事例を紹介することの積み重ねや人権研修の啓蒙活動など、さまざまな施策を通じて理解促進と協働の円滑化を図っています」

最後に、金田さんは次のような話をしてくれました。

「最近では、知的障がいの仲間も増えてきており、今後もさらに身体障がいのみならず知的障がいの方の雇用も含めて、グループ全体で推進していきます。そして、障がいの有無は関係なく、協和発酵キリングループの仲間になられた方がいきいきと働き、一人ひとりがどういう形で能力を発揮してもらうか、さらに成長を促しキャリアを形成してもらうか。私たちの役割は、そのための活躍の場をいかに生み出していくかにあると思っています」

このように「最高のチームになろう」という協和発酵キリンの志は、あらゆる状況下で具現化されているのです。

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