特集 障がい者が活躍する職場レポート vol.01
2012/10/17

健常者と障がい者が
一体となって働ける
環境へのこだわり

プロフィール

三井物産ビジネスパートナーズ株式会社

代表取締役社長
井下田 孝人

一人ひとりの可能性が広がる環境づくり

三井物産ビジネスパートナーズは、三井物産および三井物産グループ会社において、営業遂行の為の重要な基盤である人事・総務の職場を支えています。

人事・総務業務全般を受託している三井物産ビジネスパートナーズ。同社は、総合商社の基盤を支える活動を行いながら、特例子会社としての側面を合わせもっています。同社の前身である「物産サービス」が、特例子会社制度をいち早く導入し、1981年、三井物産株式会社100%出資としてスタートしました。

同社では、どのような考えのもと障がい者雇用に取り組んでいるのか、代表取締役の井下田氏にお聞きしました。

「当社は、2009年10月に『三井物産ビジネスサポート』と『三井物産ゼネラルサービス』が合併し、『障害者の雇用促進等に関する法律』に基づいた特例子会社として設立されました。特例子会社としての歴史は古く、全国で10番目(東京では2番目)に認定を受けました。

私たちのミッションは、『お客さまへの質の高いサービスの提供を通じて、三井物産グループの成長に貢献すること』です。これを実現するには、『人』が全てだと考え、人材育成に力を入れています。設立当初から、健常者と障がい者が一体となった働きがいのある職場環境に取り組み、障がいの有無で給与や待遇、仕事内容、処遇体系に差をつけることはありません。常に全ての従業員の成長を促すため、チャレンジの機会を与えています。

今まで出来なかったことが出来るようになれば、本人の自信につながり、向上心も高まります。仕事においても、宅配物や郵便物のデリバリー、名刺や文書の作成業務、代表電話受付、三井物産社員の人事関連業務など、本人の可能性が広がる幅広い業務を任せています」

相手の思いを理解しようとする姿勢が、何よりも大切

三井物産ビジネスパートナーズの全従業員数は238名で、そのうち約80名が障がい者と、高い割合を占める同社において、従業員が一体となって成果を出すために、日常大切にしていることは、どんなことでしょうか。

「人と人とのコミュニケーションは、本当に難しいことだと思います。人間一人ひとりに個性があって、性格も異なります。血がつながっている親子、兄弟姉妹であっても、なかなか意思の疎通がとれないもの。そこで大事なことは、『相手が何を伝えたいのか』、『どうしてそんなことを言っているのか』と、相手の立場にたって、その言葉の裏にある真意を理解することです。三井物産ビジネスパートナーズには<『謙虚』に、『感謝』しながら、『思いやり』の心を持ち続ける>という理念があります。日頃から、謙虚に相手の話を聞き、言葉の真意を読み取って相手を理解することを、従業員たちは実践しています」

井下田氏の言葉にもあったように、相手の意思を理解すること『=コミュニケーション』は、容易なことではありません。それでもコミュニケーションの重要性を理解し、継続することに価値があり、真摯に取り組む姿に、企業としての誠実さを感じます。

最後に、障がい者雇用における同社の今後の取り組みについてお聞きしました。

「社内の部署異動などを積極的に行い、従業員に様々な経験を積ませたいと思っています。同じことを継続し、専門性を高めることも必要ですが、新たな分野に挑戦し、より自分に合った仕事や、得意な分野をみつけ出して、新しい発見と成長が期待できると考えるからです。

また、会社が成長していく中で、『従業員が一体となった職場環境』という目標を実現しつつ、事業を拡大し、さらなる雇用を創出していくため、解決しなければならない問題は沢山ありますが、前向きに挑戦していきたいと思っています。関係者から情報収集し、一つひとつ問題を解決し、さらに明るくやり甲斐ある職場環境づくりを行うことが当面の目標です」

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