特集 障がい者が活躍する職場レポート vol.04
2013/02/14

仕事でも人生でも
いきいき自立している人を
生む会社でありたい

プロフィール

株式会社旭化成アビリティ

代表取締役社長
田中 恭代

インフラを整え安心して働ける場を創出することが
アビリティの重要なミッションの一つです

旭化成アビリティ(以下、アビリティ)は、昭和60(1985)年、旭化成の全額出資で設立された特例子会社です。現在、アビリティの従業員数(すべて正社員)は220人。うち障がいのある社員は200人です。

今回お話をうかがったのは、アビリティの田中恭代社長。

「私たち旭化成アビリティは障がいの内容に関係なく、雇用の機会、働く場を創出・提供することを、やらなければならない重要なミッションの一つと位置づけています」
アビリティの特例子会社として果たすべき役割はきわめて明確であり、それは前述した雇用に関する数字で理解できると思います。
アビリティは、延岡(宮崎県)、水島(岡山県)、富士(静岡県)、東京の4カ所に営業所を設けています。すべての営業所は、いずれも旭化成グループの本社、支社、製造所に隣接しており、そこには旭化成グループ事務所や工場、研究施設などがあります。

「当社の業務は、すべて旭化成グループからの業務委託です。大きくわけると営業所がある地区にいないとできない業務。いわゆる"地域密着型"の業務と、全国の旭化成グループから地区を超えて受注可能な業務にわかれます。
前者は、社内外の方が工場内へ入る際に提示する顔写真付き入出門許可証の発行や、入場に関する教育の請負、その地区で働く方の作業服のクリーニング、工場内の緑化や花壇の整備、清掃などです。
後者は、主にOA業務と印刷製本や発送代行、事務代行の業務です。OA業務には書類の電子化やホームページ作成、データ入力などがありますが、元の紙資料のファイリング、保管なども実施しています。これらの仕事や、印刷や製本、発送代行業務は、今は地区を超えて、電子データを簡単に入手できますので、アビリティの4営業所が協力してひとつの仕事を仕上げることもあります。
旭化成グループのビジネスと密着した業務を受注し、確実に仕事を仕上げることによって、旭化成グループからの信頼を得ることができます。こういった仕事の仕方が、委託業務の増加にもつながり、経営安定につながると考えています」

アビリティで培ったものを糧に豊かな人生を過ごす
そういう会社でありたいと思っています

既述のようにアビリティは、業務を旭化成グループからの受注に限定しています。もちろん、これには理由があります。
「障がいの内容によって、化学プラントの現場での仕事は困難なことがあります。そのため27年前に特例子会社を設立したのですが、たとえ現場に直接かかわらない業務であっても、旭化成グループの人たちと一緒に仕事をしている意識。設立時から重きを置いたのは、この旭化成グループの一員である、という意識をもってもらうことでした」

また、田中さんは「障がいは一つの個性だと思っています」ともいわれます。
「当社の場合、面接でお会いする方の多くが、ご自身の障がいとしっかり向き合っています。たとえば『障がいのため入院していましたが、退院したので働きたい』という方。その方は、自分がやれること、やれないことについて明確に認識されており、やれることについては懸命に仕事を覚え、新たな能力を身につけたいと考えておられます。みなさん障がいをきちんと受け止め、とても前向きです」

田中さんのいわれる"個性"とは、この「やれることと、やれないこと」にほかなりません。
「さまざまな個性がアビリティという場で、お互いを補い合いながら業務を行っていく。私たちマネージャーの役割は、皆さんの個性にマッチした仕事を開拓することにあります。さらに『やれる』を『もっとやれる』、『やれない』もインフラや人の助けを借りれば『やれる』というように、ご自身が気づいていないかもしれない可能性を拡大していくのも大切なことですね。彼らの可能性は、健常者が考えている以上に、あるいはご自身が思っておられるより大きいと思っています」

お話は"可能性"から"自立"へとおよんでいきました。
「アビリティの定年は60歳ですが、再雇用制度があり65歳まで延長が可能です。再雇用の場合、ポストオフになるのが一般的でしょう。しかし当社では、その人に適正と能力がおありになれば、ポストは継続します。現在、係長クラスのグループリーダーが26人いますが、ほとんどの方がなんらかの障がいがあり、内4人が再雇用の方です。

こうした方たちも含め、いつかは退職を迎えるわけですが、その後もアビリティで培ったものを糧に自立して豊かな人生を過ごしていただきたい。仕事でも人生でも、それが実現できる場としてのアビリティ。そういう会社でありたいと私は思っています」

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