特集 障がい者が活躍する職場レポート vol.05
2013/03/26

変化を乗り越え
雇用を広げてきた
先駆企業の道のり

プロフィール

株式会社リクルートオフィスサポート

執行役員
三井 正義

変化を続けるリクルートグループの要望に応えることで
新たな障がい者雇用の道を拓いてきた

リクルートオフィスサポート(2006[平成18]年11月1日、リクルートプラシスから社名変更)は、リクルート(現・リクルートホールディングス)の特例子会社として、1990(平成2)年2月14日に設立されました。現在、国内の特例子会社は約350社にのぼりますが、同社はその先駆的な存在と言って過言ではありません。

親会社であるリクルート及びリクルートグループは、1960(昭和35)年の創業以来、休むことなく変化を繰り返しています。業務受託先であるグループの変化は、当然、リクルートオフィスサポートの事業内容にも影響を及ぼします。まずこの点について、執行役員の三井正義さんに伺いました。

「創業当時の主な業務はリクルートの社内報の印刷でした。また近年で、手がけたのが情報関連事業です。リクルートは情報誌(紙メディア)の発行をメイン事業としており、読者からのアンケート葉書が返送されてきます。葉書には多くの個人情報が記載されていますから、その管理をしっかりしなければなりません。合わせて、読者に対するプレゼント発送の業務もあります。現在、当社で事業の柱の1つとなっている情報関連事業は、この葉書の管理と情報の分析、そしてプレゼントの発送業務からスタートしました」

ところが、情報通信の急速な発達・普及により、リクルートは紙メディアからネット媒体化へと大きく舵を切りました。アンケートもネット上で行なわれるようになった結果、紙にまつわる情報関連の業務は激減。この大きな変化にどう対応するのか……。答えは専門性の高い業務を行なっていくことでした。

「当時から受託していたオフィスサービス事業や経理事務代行事業に更なる磨きをかけて、この領域の仕事は『リクルートオフィスサポートに任せれば安心だ』と言われるようになることをめざしました。具体的には、総務の多岐に及ぶサービスを全社員に提供できる能力、経理の伝票を確実に処理できる能力、それらを身につけていくことです」

さらに、先述の情報関連事業も専門性を高めて、個人情報管理業務に加え、契約書などの重要な文書管理などのサービス内容を拡充することで、経理事務代行・オフィスサービス・情報関連の3本の事業の柱が確立されました。
「さまざまに変化を続けるリクルートグループ。設立から23年余り、リクルートグループの高い要望に応えることで変化を乗り切り、新たな雇用の道を拓いてきた。私たちはそう自負しています」

三井さんは以上のことを淡々と話してくれました。

精神障がい者の雇用増大に向け
新規事業開拓を精力的に進めていく

リクルートオフィスサポートのホームページには『6つの約束』が掲載されています。その1つが『障害者雇用の輪を先頭に立って広げていく会社でありたい』です。

「現在、精神に障がいのある人たちの雇用促進が強く求められていることは周知のとおりです。当社の場合、雇用実績は数名でしたが、2012(平成24)年の5月から積極的な取り組みを開始したことで、今では10名超の方が働いています」

障がい者雇用は、意欲だけでやれるものではありません。なぜなら、その障がいにマッチした業務を用意することが不可欠だからです。

「精神障がいの方にやっていただく業務については、二段階で実施と計画を進めています。第一段階は、既存事業である情報関連事業への配属です。すでに、情報関連事業などの業務に就いてもらっています。第二段階は、新規事業の開拓です。この新規事業については情報関連で、これまで未着手の業務分野になります。精神障がいの方にマッチした静的な業務であるのはもちろん、ボリュームが安定しており、今後もあり続ける定常的な業務を想定しています。これを第4の柱に育て、精神障がいの方を中心に運営していく方針です」

特例子会社が雇用を増大させるためには、親会社からの受託業務の拡大、言葉を換えるなら新規事業開拓の成否が鍵を握っています。

「そこで、2012年10月、『事業開発プロジェクト』を立ち上げました。次の事業を創るための専任部隊です。ここでは先ほどの”第4の柱”づくりを担当していますが、もう1つ全社員を対象に『新規事業の募集』も行なっています」

リクルートグループには『社員皆(かい)経営者主義』という思想があり、これはリクルートオフィスサポートも同様です。『新規事業の提案募集』も、このスピリットを象徴しています。

「募集期間は2カ月で、提案総数は延べ40件を超えています。200人に満たない社員数から考えると、かなりの件数と言ってよいでしょう」

三井さんの社員への期待は大きいようです。

『会社の発展とは個人の成長の積み重なり』であり『会社は一人ひとりが創り上げていく』というリクルートオフィスサポート。今後も新規事業を精力的に生み出し、『障害者雇用の輪を先頭に立って広げていく』ことでしょう。

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