特集 障がい者が活躍する職場レポート vol.08
2014/07/28

高いレベルの業務と
ノウハウを示すことで
グループ内の採用・
定着を牽引する

プロフィール

株式会社NTT西日本ルセント

代表取締役社長
木元 正憲

グループへの貢献が
社会への貢献につながっていく

v8_nttwest-lucent_1株式会社NTT西日本ルセントはNTT西日本グループ23社(現在のグループ会社認定数)の特例子会社として2009年7月に設立されました。現在の従業員数は58名。うち、障がいのある社員は46名在籍しています。

「NTT西日本ルセントでは、社員採用における『マッチング』を大切に考えています」

こう語るのは代表取締役社長の木元正憲さん。

「NTT西日本グループには様々な業務があります。例えば、営業に関わる業務、設備面に関わる業務、総務・人事・経理などの事務系の業務など。当社はグループ内の様々な業務を引き受け、各人の適性とマッチングを図ることで社員が活躍するチャンスを広げ、グループへの貢献や社会貢献につなげていこうと考えています」

この考えがNTT西日本ルセントの理念『共生と貢献』の基盤となっています。

では、基盤となるマッチングを図るうえで必要な受託業務の拡大をどのように図っていったのでしょうか。

「立ち上げ当初は各グループ企業へ出向き、業務を開拓していきました。現在では、2年前からスタートしたグループ各社の業務を再考するプロジェクトにより、当社の業務を知ったグループ企業から『こんな業務はできないか?』という形で依頼を受けることが業務拡大にともないずいぶんと増えてきています。

v8_nttwest-lucent_2例えば、情報の電子化を始めとしたオフィスサポート業務では、より付加価値・提案要素が求められております。ただ電子化するだけでなく、工夫をこらした分類や検索性を高めたコンテンツ作成など、使用する人のことを考えた、よりアーカイブ性を強めた提案を行っています。

このようなプラスの循環ができていることは、立ち上げ当初とは違う役割になってきているのではないかと考えます」

経験・スキルを発揮することが
職場への定着につながる

v8_nttwest-lucent_3「当社で行っている業務のほとんどがNTT西日本グループからの受託になります。
その中で高いレベルの業務を行うために、前職での経験や培ってきたスキルを発揮できる場を用意しています。

例えば営業的な支援業務として、各種サポートサービスのご案内や勧奨を行っています。各支店より受けた情報をもとに行うテレマーケティングでは、インバウンドやアウトバウンドといった業務において、営業職の経験などが活かせます。
設備系の支援業務については、グループで行われているエコ活動への取り組みに対しての集計・分析・提案を行っており、各支援学校などで学んできたスキル(例えば表計算やプレゼンテーションソフト、Webサイトの保守など)を発揮している方もおられます。

v8_nttwest-lucent_4また、制作進行管理を担うスーパーバイザーを通すことで、クリエイターが在宅勤務で作業ができる航空写真の加工・修正業務などがあります。
さらに、社内研修の際にも、それぞれの得意分野を活かして講師を務めるなどの取り組みを行っています」

自分の得意分野を活かす業務を任せることは職場への定着に繋がります。
「まず、業務のマッチングを行うためには、依頼元や想定の業務内容を私たちが細部まで理解することが必要です。そのうえで、採用面談に時間をかけ、必要なことを包み隠さず、曖昧にしないで正確に伝えるようにしています」

「障がいのある方がグループ各社に就職を考えた際、どこの扉を叩けば良いかわかりにくいかもしれません。しかし、当社のような特例子会社があることで可能性が広がっていくと考えます。
また当社で運営するポータルサイト『ドリームアーク』では、働くことについての記事も多いため、サイトに共感して当社を志望したという従業員もたくさんいます」
実際の業務が障がい者採用の門戸を広げることにも繋がっています。

最近では、職場の見学会やグループ企業での勉強会など新しい取り組みを行っています。

v8_nttwest-lucent_5「NTT西日本グループ各社において、実際に障がいのある方がどのような業務を行っているのかを知ってもらう場を設けることが増えてきています。もちろん、その説明をするのは実際に働く当社の社員です。
そして『自分たちの会社でも採用は可能』ということを知っていただける良い機会となっています」

今後はNTT西日本ルセントがグループ全体における、障がい者雇用と定着の起点となっていくことは間違いありません。
「NTT西日本グループから受託する各業務を、私たちが高いレベルで行うことで模範となり、障がい者雇用のノウハウをグループ内に展開しリードしていく。それが、グループの地盤を固めていくことに繋がると考えています」

この記事の関連リンク

この記事をシェアすることができます。

トップに戻る

特集 障がい者が活躍する職場レポート BackNumber