職域の拡大と
一人ひとりの
職場定着を
めざして

2社の長所を生かすことで
さらなる雇用拡大をめざす

アデコビジネスサポート株式会社は、株式会社VSNの特例子会社であった株式会社VSNビジネスサポートと、アデコ株式会社の特例子会社であったアデコソレイユ株式会社が合併し、2017年7月に設立されました。
「VSNがアデコグループに参加したのは2012年です。その後、アデコおよびVSNの事業拡大による従業員の増加もあり、特例子会社を2社に分かれたままにするよりも1社に統合することが、障がい者雇用の安定と拡大につながると考え、合併することになりました」
そう語るのは、アデコビジネスサポートで取締役　VSN業務部部長を務めるとともに、株式会社VSNでも執行役員を担う田邉秀彰さんです。合併に至った両社の特徴について、お話しいただきました。
「合併には、大きく分けると二つの理由があります。一つは業務内容の違いです。VSNビジネスサポートでは、主にVSNのバックオフィス業務を担ってきました。VSN自体の業務の効率化を図り、生産性を高めることが目的でした。それに対し、アデコソレイユではアデコグループ各社のバックオフィス業務だけでなく、人財派遣業を行うアデコ本体に派遣スタッフ登録した方への対応など、営業支援的な業務も行ってきました。これを一つにすることで職域が広がり、能力を発揮できる機会を増やすことができます。
また、二つめは定着支援に関する部署の存在です。VSNビジネスサポートには、社会福祉士や精神保健福祉士などの有資格者や就労支援での経験者が在籍するジョブコーチ機能に特化した支援専門の部署がありました。同部署で悩み相談や業務の支援を行うことで、社員の定着をサポートしてきました。合併により両社の社員をサポートできるようになりました」

幅広い業務内容を用意し
新たなチャレンジができる環境をつくる

現在、同社の社員は大きく分けて一般事務職、事務補助、テレフォンオペレーターの三つの職域で活躍しています。一般事務職は、アデコグループ各社における経理や総務、人事などの事務業務です。書類作成や電子化、保険関係書類の作成、データ入力、社員証や名刺の発行、電話応対など、さまざまな業務があります。また、事務補助は親会社の社員や登録会員への書類発送や社内清掃、廃棄物分類などを担当します。一方、テレフォンオペレーターはアデコ本体に登録した派遣スタッフ希望者に対して電話でヒアリングを行い、希望の就業条件や現在の状況など、営業担当に必要な情報を収集して精査する仕事です。
「これ以外にも、現在はグループ以外の業務も受託し、さらなる職域の拡大をめざしています。そして、チャレンジしたい人にはどんどん新しいことにチャレンジして欲しい。そのためには、働きたい、ステップアップしたいと思ってもらえる環境をつくることが重要だと考えています」

惜しみない定着へのサポートが
社員一人ひとりの成長へとつながる

チャレンジしたい人が目標を持ち、その達成に向けて安心して業務を続けられるように同社で導入しているのが、「One on One」制度です。
「当社では年次の最初に、上長との面談を通じて一人ひとりの年間目標を立てます。その目標に対して定期的に課題や進捗の確認を行うことに加えて、仕事の不安や悩みなどのヒアリングを行っています。一人ひとりの課題を見つけ、解決するためには何が必要かを共に考える場をつくることで、社員は自分ひとりで抱え込まずに課題を解決することができ、成長できる場となっています」
そのほか、同社では職場定着を支援するためにさまざまなサポートを用意しています。
「まずはジョブコーチの設置です。ジョブコーチは障がい特性に合わせた業務内容を一緒に考え、社員一人ひとりの職域拡大をめざし、自立して業務が遂行できるように指導しています。また業務以外にも、対人関係の支援やビジネスマナーに関する教育、家庭や支援機関と連携し、安定して就労できるようにサポートを行っています。
また、働く上で抱える悩みや課題、メンタルヘルスの安定に関しては、社外カウンセラーと契約し、定期的に面談できる機会を設けています。
でもそれだけでは、やりがいや成長にはつながりません。せっかく入社してもらったからには、ステップアップしながら長く勤務してほしい。そういった思いで、こうした入社後のフォロー体制を整備しています」
田邉さんが語る言葉の通り、同社では社員の定着支援に積極的に取り組んでいます。その中には、「在宅勤務」の導入に代表される働き方改革と積極的なキャリア開発支援もあります。各人が成長することでチーム力をアップさせ、企業としても発展していく。アデコグループが掲げる「キャリア開発があたり前の世の中をつくる」の実現に向けて、最も近い位置にいるのがアデコビジネスサポートなのかもしれません。