障がい者雇用の取り組み vol.022
2013/08/30

社員一人ひとりが
自らの価値を高め
誇りとやりがいを
もって働く風土

プロフィール

富士通エフ・アイ・ピー株式会社

人材開発部 担当課長
奥村 繁政

「配慮はするが区別はしない」「社員は最大の財産」
の具現化は、この姿勢からスタートする

富士通エフ・アイ・ピー株式会社富士通グループの理念・指針は『FUJITSU Way』に示されています。その「社員」の項の冒頭には『社員は富士通グループの最大の財産です』と記されています。さらに、『さまざまな個性や考え方を持った社員がその能力を結集することにより、富士通グループの企業価値が高まります。そのために富士通グループは社員の多様性を尊重します。また、社員が仕事を通じてその能力や専門性を高め、自己の成長を実現できるよう支援します』。もちろん、『さまざまな個性』の中には、障がいも含まれます。

富士通グループの一員として、全国に展開するデータセンターを基盤として、企画から設計、開発、移行、運用、保守まで、お客様への継続的な価値提供を実行している富士通エフ・アイ・ピー株式会社も、この理念に基づいています。ただ、根幹は同じであっても、グループ各社の事業内容や社風などによって、具体的な取り組みは異なります。今回は、富士通エフ・アイ・ピーの雇用における独自性について紹介します。お話をうかがったのは、人材開発部担当課長の奥村繁政さんです。

「私たちの障がいのある社員への対応は『配慮はするが区別はしない』というものです。ハード、ソフトの両面で必要な配慮は行いますが、配属部門、仕事内容、研修などすべての面で障がいの有無による差や違いはまったくありません。

社会に出て働くということに、障がいの有無は関係なく、誰もが自身の能力や意欲にプライドをもっているはずです。実際、採用活動の場では、そうした方々にたくさんお会いしてきました。それなのに『限られた業務だけをやってもらえばよい』というような考えでは、採用した方に失礼だと思います。ですから、入社していただいたからには、必要な配慮のもと、思い切って力を発揮してもらうようにしています。」

障がいのある社員の半数が技術者として、ハンディキャップを乗り越え、現場で働いていらっしゃるとのこと。『社員は最大の財産』の具現化は、『配慮はするが区別はしない』からスタートしているのです。

「1.4%」の低い離職率は
「何歳になっても目標をもち続ける」という施策から生まれた

「『社員は最大の財産』ですから、この財産が会社から離れる、つまり離職は富士通エフ・アイ・ピーの大きな損失になります。

『1.4%』という数字は、2013年4月現在の富士通エフ・アイ・ピーの離職率です。障がいのある社員も含めて、この低い離職率を長い間、維持しています」

従業員数が3,000名近い企業で、なぜ離職率がこれほど低いのでしょうか。

奥村さんは「職場の雰囲気なのでしょうね」と言います。「障がいのある社員も『障がいに配慮した設備も大切ですが、良い"人"に囲まれていると、仕事への関心が高まり、前向きに取り組める』と言っています。」

奥村さんも社員の方も『人間関係を中心とする職場環境の良さ』を挙げていますが、低い離職率の要因は決してそれだけではありません。

「たとえば、節目ごとに行う当社独自の<キャリア教育>制度の効果も大きいと思います。具体的には、入社3年目、7年目、そして40歳、50歳時にキャリア研修を実施。40歳時の研修は<キャリアチャレンジ研修>といい、1週間の合宿研修です。仕事や家族を含めた社会と切り離し、自分の未来のためにだけに使う1週間です。研修では自己理解を深め、自立型人材への脱皮をめざしてキャリアプランを作成するのが目的です。キャリアカウンセラーや研修同期の仲間たちと、研修の時間だけではなく夜の時間も使って語り合い、これまで積み重ねてきたキャリアや自分の強みを見つめなおし、これから向かっていく未来を明確にしていきます。研修最終日には、これからの活躍を強く決意しながら、1週間を共に過ごした研修同期の仲間たちと別れていく、晴れやかな顔が印象的です。当社ならではの独創的な研修だと自負しています。もちろん、キャリアチャレンジ研修には障がいのある社員にも、参加してもらっています」

年齢を重ねていったとしても、目標を明確に立てることで新たなチャレンジへ向けての道が拓ける。障がいの有無にかかわらず、各種研修に見られる独自の施策が、富士通エフ・アイ・ピーの低い離職率につながっていることは間違いのないところです。

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