障がい者雇用の取り組み vol.095
2020/03/23

風通しが良い社風の中
密接な交流を
図ることで
働きやすい
環境をつくる

プロフィール

みずほ証券株式会社

人事部
ダイバーシティ・インクルージョン推進室長
鈴木 順子
人事部 ディレクター
三谷 達也

多様な人材が活躍できる環境で
組織の活性化を図る

すずきさんみずほ証券は、みずほフィナンシャルグループの一員として、社員一人ひとりの多様な視点や発想を日々の業務形態や意思決定に積極的に取り入れることで、革新性あふれる金融商品の開発やサービスの提供、業務プロセスの改革を不断に実行し、新たな企業価値を創造することをめざしています。

「そのために国籍・性別・文化の違いなど、様々な属性に捉われることなく、お互いが認め合い、高め合うことを重視し、ダイバーシティ&インクルージョンの推進に取り組んでいます。その中には障がい者も含まれており、障がいのある社員も個性を活かして活躍できる環境づくりを行っています。会社全体で障がいに関する理解を深め、周囲の方の協力を得ながら、障がいがあったとしても自分の得意分野で力を発揮できるような取り組みを行っています」

人材に対する基本的な考え方を説明するのは、人事部ダイバーシティ&インクルージョン推進室長の鈴木順子氏です。同社では様々な障がいのある社員が、営業事務、本社企画部門、総務、経理、各支店の店頭窓口などの事務職を中心に活躍しています。同社では証券販売に関わらない社員であっても、証券に関する基本的知識を身につけるために「外務員資格」の取得を義務付けていますが、障がいのある社員においても同様に資格取得に向けて頑張ってもらっています。こうしたオープンでフェアな社風の中で、社員は生き生きと仕事に取り組んでいます。

密接なコミュニケーションを通して
環境改善を実施する

みたにさん自分の得意分野で活躍してもらうために、採用時から注力しているのがコミュニケーションの充実です。選考時は、障がい内容の確認や就業する際に配慮してもらいたい点を具体的に把握した上で、本人の希望や適性に応じて配属先を決めています。

「さらに配属後も、1年に1度『配慮面談』を行っています。この面談は、就業前には予想していなかったものの、実際に働き始めてから、障がいに関連して不便や不安を感じる点を改善するために始めた取り組みです。この面談で出た意見の中から改善すべきことを吸い上げ、より障がい者が働きやすい環境づくりに役立てています。実は配慮面談では、きめ細かく配慮しているつもりでも至らない点に気づかされます。例えば、当社ではオフィスのバリアフリー化を推進し、廊下にも手すりを付けていましたが、下肢障がいのある社員から『片側だけでは向きによって歩きづらいので手すりを両側に付けてほしい』という要望が上がったこともあり改善しました。こうした我々では気づかない改善点が配慮面談では出てきますので、働きやすい環境整備という面で大いに役立っています」

このように社員が働くための環境づくりについて説明するのは人事部ディレクターの三谷達也氏です。さらに同社では、障がい内容に応じて各種支援機器も積極的に導入しています。音声を文字情報に変換してコミュニケーションが図れる「UDトーク」を、聴覚障がいのある社員が参加する会議に活用したり、視覚障がい者に対しては拡大鏡の活用など支援機器を積極的に利用することで、スムーズに業務を遂行できる工夫を凝らしています。

「会社が支援策を打ち出すだけでなく、社員が自発的に障がい者とのコミュニケーションを深める取り組みも行っています。同僚の聴覚障がいのある社員ともっとコミュケーションを取りたいという想いから、自分たちで手話を学ぶサークルを作るなど、当社のフランクで風通しの良い社風が良い影響を与えているようです」(鈴木氏)

さらにみずほ証券では、障がい者を受け入れる職場の管理職に対しては、受け入れ態勢、配慮の在り方などを詳しく記したハンドブックで知識を身につけてもらうなど、周囲への情報共有や意識を高める取り組みにも全社を挙げて努めています。

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