障がい者雇用の取り組み vol.096
2020/07/14

創意工夫をしながら
配慮態勢の高度化と
雇用の拡大をめざす

プロフィール

明治安田生命保険相互会社

人事部 ダイバーシティ推進室 審議役
三村 政彦

ダイバーシティ&インクルージョン実現のために
誰もが能力を十分に発揮できる環境を整備する

みむらさん明治安田生命保険相互会社(以下、明治安田生命)では「MY Mutual Way2030」で、10年後にめざす姿である、「『ひとに健康を、まちに元気を。』最も身近なリーディング生保へ」の実現に向けて取り組みをしています。その中の人事マネジメント改革においては、ダイバーシティ&インクルージョン(多様性の受容と活躍支援)実現に向けた風土醸成と女性・シニア層・障がい者の活躍支援、そして柔軟な働き方のさらなる追求に取り組んでいます。
このダイバーシティ&インクルージョンでめざしているものは、多様な人財が相互に受け容れられ、一人ひとりがその能力を十分に発揮している環境や仕組みの整備です。当然、その中には女性や中高年の活躍と同じように、障がい者が活躍できる環境や仕組みの整備も挙げられています。

明治安田生命は、すでに実雇用率2.28%(2020年7月15日時点)と法定雇用率をクリアしていますが、さらに多くの障がい者が活躍できるように「配慮態勢の高度化と雇用の拡大」の活動を行っています。その取り組みの中心的な役割を担っているのが、人事部ダイバーシティ推進室審議役の三村政彦氏です。

「私が現在の部署に赴任したのは2016年4月ですが、それまでは障がい者と接する業務経験がなかったこともあり、知識ゼロからのスタートでした。そこで、専門知識を身につけるためにジョブコーチの資格取得や手話を学ぶとともに、全国の約100カ所に及ぶ支社を回りながら各拠点で働く障がいのある職員、職業生活相談員などと面談をして、各職場の課題や悩みを伺ってきました。その中から周りの理解や業務フローの改善で解決できること、あるいは支援機器の導入で解決できることなど、解決策を一つずつ分類しながら配慮態勢の高度化を推進してきました。また、全国を回ったことで、各拠点で人間関係が築けたことも私にとって大きな財産となりました。というのも、その後の支援策を打ち出していく過程で、実際に会ったことがあるために意思疎通がしやすく、スムーズに業務ができたと感じています」

そんなバイタリティ溢れる三村氏が率いるダイバーシティ推進室の障がい者活躍推進チームには、現在4名の職員が業務にあたっています。メンバーの中には下肢障がいや聴覚障がいの職員も在籍しており、全員が意識しているのは「自分たちが輝くことで、全国の拠点で働く障がい者たちが輝くようにすること」。まさに同社が掲げるダイバーシティ&インクルージョンの理念にも合致した、一人ひとりの能力を最大限化するという考え方で、働く環境の整備を推進しています。

丁寧なヒアリングと積極的な支援機器の導入で
スムーズなコミュニケーションを実現

明治安田生命にはさまざまな障がいのある職員が活躍していますが、特に多いのが聴覚障がい者です。全国で150名近い職員が働いており、聴覚障がい者が働きやすい環境にすることは、配慮態勢の高度化にも結びつきます。

「全国でヒアリングした結果、聴覚障がい者の最大の悩みは『必要な情報が入ってこないこと』でした。朝礼や会議の内容がわからない、あるいは資料のDVDにテロップが流れていないため内容把握ができないなどの悩みを持っていることが判明しました。また、これまで会議や打ち合わせでは手話通訳者が同席するのは難しいため、隣の人がノートテイクで会議内容を伝えるなどでコミュニケーションを取っていました。しかし、それだとどうしても内容が十分伝わらないなどの弊害がありましたので、支援機器の導入にふみきりました。中でも大きな成果を上げているのがUDトークという音声を自動でテキスト化できるAIを活用した支援機器です」(三村氏)

UDトークが相手の話す内容をすぐにテキスト化してくれるため、以前よりも素早く正確な意思疎通が可能になったと言います。今では会議はもちろん、少人数の打ち合わせにも活用し、聴覚障がい者にとって最大の悩みであった「情報が入らない」という課題の解決に大きく貢献しています。さらに新型コロナ感染症の拡大により同社でもテレワークで働く機会が増えていますが、そんな場面ではスカイプを活用してコミュニケーションを図っています。

「障がい者活躍推進チームにも聴覚障がいのある職員が在籍していますが、彼女との打ち合わせでも、お互いに在宅でスカイプのチャット機能を使いながらコミュニケーションを図っています。また、聴覚障がい者同士ならスカイプで手話をしながら意思疎通が図れるので、テレワークでも大きな支障がなく働けています。このように、状況に応じて支援機器を活用することで、誰もが働きやすい環境の整備を推進しています。現在は社内の手話通訳者の育成に注力し、手話に興味を持つ職員を募って講習会を開催しています。手話のできる職員が増えることで、今後ますます円滑なコミュニケーションが可能になることを望んでいます」(三村氏)

障がい者と向き合いながら課題を抽出し、創意工夫をすることで働きやすい環境づくりに取り組んできた明治安田生命。今後も障がい内容に合わせた新たな仕事の切り出しなどを行うことで、誰もが活躍できる仕組みづくりを創出する方針を掲げるなど、さらなる前進をしていくことでしょう。

この記事の関連リンク

この記事をシェアすることができます。

トップに戻る

障がい者雇用の取り組み BackNumber