障がい者雇用の取り組み vol.098
2020/08/31

誰もが
やりがいにあふれた
仕事に就いてもらう

プロフィール

JA三井リース株式会社

人事総務部 人材開発室 室長
木村 充寛
人事総務部 人材開発室 サブリーダー
片山 浩司

長いスパンをかけて育成し
長期的な活躍を期待する

きむらさんJA三井リースは、「JA系統」と「三井系・商社系」という特性を併せ持ち、顧客に対して国内トップクラスの金融・物流ネットワークや、業種・業界に精通した専門力を活かして高付加価値サービス・ソリューションを提供するリース会社です。

同社の障がい者採用は、これまではキャリア採用を中心に展開してきましたが、2020年4月より新たな中期経営計画を掲げる中で、今後は新卒採用にも力を注ぐ方針です。その際に重視しているのが4つの要素になります。

「当社が期待する人材に求めている要素は、『創造』『挑戦』『貢献』『変革』です。まず『創造』とは既存の枠にとらわれずに自由な発想や考え方でビジネスを創造することができる人材、『挑戦』は顧客や仲間のために困難な課題であっても解決に向けて果敢に挑戦できる人材をさします。そして、『貢献』は情熱をもってChallengeし続けることで組織、顧客、社会の変革に貢献できる人材のこと、『変革』は仕事、顧客、仲間との関わりを通じて、自らを変革し続けることができる人材です。もちろん、初めから4つの要素をすべて兼ね備えた人材はなかなかいないので、仕事を通してこうした要素を身につけていただきたいと考えています」

そう自社の人材に対する基本的な考え方を説明するのは、人事総務部 人材開発室 室長の木村充寛氏です。同社の新卒採用者に対する基本的な考え方は、障がいの有無等に関係なく研修・育成をし、総合職・一般職として多岐にわたる業務を経験し、誰もがさまざまな部門で活躍できる組織をめざしています。

今後は営業事務など
誰もが活躍できる職種を拡大していく

現在、JA三井リースには、聴覚障がいや下肢障がい、内部障がいなど、さまざまな障がいのある社員が活躍しています。

「こうした社員が長く活躍できるように、私たちはまず面接時に、障がいによって『できること』と『できないこと』を詳しくヒアリングし、そのうえでできるだけ本人の希望と適性に合わせて配属先を決定しています。また、配属後も各人の能力を最大限に発揮できるよう、必要に応じて他部門へ異動するなど適材適所の人事を行い、活躍の機会を広げています」(木村氏)

このように、JA三井リースでは、本人の意思を尊重した人事を行うことで組織の活性化を図ってきたそうです。そんな同社の障がいのある社員は、主に管理部門に在籍し、総務や人事などでそれぞれスキルを磨きながら活躍しています。その背景にあるのは、各人に合わせて支援する体制を整備していることが挙げられます。そこで、具体的な支援について、人事総務部 人材開発室 サブリーダーの片山浩司氏にお話しいただきました。

かたやまさん「例えば、聴覚障がいの方には、円滑にコミュニケーションを図れるように、周囲の社員が積極的に寄り添い、意見交換をして、ベストなコミュニケーション方法を探っています。その結果、手話勉強会の開催やUDトークの活用、筆談対応など、一人ひとりに応じた配慮を行うことができます。こうした障がい者支援のノウハウを活かして、今後はさらに社員の活躍できる分野を広げたいと考えています。その一つには、営業をサポートする営業事務なども想定しています。ただし、当社の場合はどんな職種であれ、一部の仕事だけを行ってもらうような業務の切り出しはしません。基本的に他の社員と同じ業務を任せることで、責任とやりがいのある仕事に就いていただいています。また、今後は受け入れる障がい内容の幅も広げながら、サポート体制の充実を図っていきたいと考えています」

これらの取り組みが功を奏し、これまで同社では障がい者で離職される方はほとんどいないそうです。高い職場定着率を誇るJA三井リースでは、今後も多様な社員が活躍できる場の拡大に向けて取り組んでいくでしょう。

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