障がい者雇用の取り組み vol.105
2021/04/28

誰もが
働きながら
成長できる
環境を

プロフィール

株式会社アドヴィックス

人事部長
花田 昌浩
人事部 人事室 採用・育成グループ
木村 治子

多様な価値観を尊重し合う文化のもと
社員同士が切磋琢磨することで成長を続ける

はなださん2001年、「交通事故死ゼロ」社会の実現をめざし、アイシン精機、デンソー、住友電気工業の3社のブレーキ開発部門が結集して設立された株式会社アドヴィックス。各部品単独ではなく、ブレーキシステム全体を開発・販売するサプライヤーとしてグローバルに事業を展開し、現在、そのブレーキシステムは世界トップクラスのシェアを誇ります。

「設立当時、親会社である3社からの出向者で事業を進めました。それぞれの社員が親会社のDNAを持っており、業務の進め方も三様。多様な人材が集まっていたこともあり、最初から異なる価値観、互いの個性を尊重し、認め合う文化ができていました。当社の採用活動にも、その根底には多様性を尊重する精神が根付いています」
そう話されるのは、人事部長の花田昌浩氏です。人材の多様性を尊重する考えは、障がいのある方の採用においても同じだと言います。

「10人いれば10通りの価値観があります。当然、得意なこと、不得意なことも人によって異なります。障がいの有無だけでなく、性別の違い、国籍の違いなど、私たちは文化や個性の違う者同士が互いに協力し合うことで様々な可能性が生まれることを、実感しながら成長してきました。もちろん切磋琢磨しながらお互いに成長していくためには、遠慮があってはいけないと考えています。そのため、入社したからには障がいのある方にも戦力として活躍してもらっています」(花田氏)

その言葉通り、現在、障がいのある社員は経営管理、品質保証、技術、ライン業務など、さまざまな部門で活躍しているそうです。

入社前の相互理解を深め
入社後のミスマッチ解消に努める

きむらさん「障がいのある方を採用するにあたって、私たちはその方の障がい内容について、いかに詳細に理解できるかが重要だと考えています。そこで選考だけでなく、その前段階のインターシップや会社見学など、できるだけ多く対話する機会を設けることを大切にしています」(花田氏)

その特徴や必要な配慮についてヒアリングするだけでなく、働くことに対する不安や就職活動に関する相談、そして社会人としてどうなりたいか、どんな仕事に挑戦したいかなどについても採用担当者が話をすることで、入社後のミスマッチ解消を図っています。

「実際に自分が働く姿をイメージしてもらうために、できるだけ入社前の職場見学も行っています。職場の雰囲気や先輩社員との対話を通して入社後のイメージを持ってもらい、安心して入社してもらえるように努めています。もちろん、それでも入社後に困りごとは出てきます。そんな時は、人事や部長と面談するなど、相談できる機会を設けています」
そうお話されるのは、人事部 人事室 採用・育成グループで障がい者採用を担当する木村治子氏です。

そんなアドヴィックスでは、障がいのある方の採用を続けることで、仕事を見直す機会を多く持つようになったと言います。

「障がいのある方にとって働きやすい職場は、誰にとっても働きやすい職場だと思います。例えば、紙に書かれた文字だと読みにくい場合や、障がい内容によっては重たい書類を持ち歩くことが困難な場合があります。それらを電子化することで、整理がしやすくなり、拡大によって文字も読むことができます。つまり、障がいの有無に関係なく業務をできるようにすることが、仕事内容を変えるきっかけにもなるのです。効率が上がり、在宅での勤務が可能になった業務もあります」(木村氏)

最後にアドヴィックスの今後について、花田氏にお話いただきました。
「アドヴィックスでは早くからUDトークの導入を行うなど、障がいのある社員の困りごとを真摯に受け止め、誰もが能力を発揮できるように、さまざまな取り組みを行ってきました。でも、社員のための環境整備にゴールはないと思っています。設立から20年が経ち、新卒で入社した障がいのある社員の中には非常に優秀な人材に成長している方もいます。そのため、今後は社歴を重ねるとともに、障がいのあるリーダー職を増やしていきたい。そして、今後入社される方の目標にしていってほしいと考えています」

「止める」技術を磨き、世界一のブレーキ屋集団をめざすアドヴィックス。しかし、社員のための環境整備は「止まる」ことなく、進み続けていくようです。

この記事をシェアすることができます。

トップに戻る

障がい者雇用の取り組み BackNumber