障がい者雇用の取り組み vol.111
2024/03/05

様々な工夫を施し、
障がい者が
活躍できる分野の
拡大にチャレンジする

プロフィール

積水化学工業株式会社

人事部 人材マネジメントグループ 
部長
岡村 裕之
人材開発チーム
津滝 佳世

入社後のミスマッチを防ぐ
丁寧な選考プロセスを実践

佐藤さん「セキスイハイム」のブランドで知られる高性能住宅、多様な機能材料で社会基盤を支える環境・ライフライン、高付加価値材料で豊かな暮らしに不可欠な自動車やIT関連の製品、そして医療に貢献する機器・システム・サービスなどを提供する積水化学工業。そんな幅広い事業分野を支えているのが多様な人材です。同社では、2015年にダイバーシティマネジメント方針を定め、多様性を性別、年齢、人種等の外見で分かるちがいでとらえるだけでなく、経歴、価値観、性格なども含めたちがいにも注目し、従業員一人ひとりが活躍できる環境づくりに取り組んできました。

「その中でも、特に注力してきたことは女性と障がい者の活躍です。当社グループの人材に対する基本的な考え方は、『従業員は社会からお預かりした貴重な財産』です。この考え方に基づいて、従業員一人ひとりが活き活きと活躍できる環境づくりに取り組んできました。障がいのある従業員に対しても特性を考慮して障がい者の方が働きやすい環境づくりにも取り組んでいます。また、当社では障がいの有無に関係なく、成長を支援するために一人ひとりが自らの得意技を磨けるような研修制度を整備するとともに、挑戦がしやすい組織風土づくりに取り組んでいます。」

このように人材に関する基本的な考え方や企業風土を説明するのは人事部の岡村さんです。そのような考え方のもと、身体、知的、精神などのさまざまな障がいのある従業員が、それぞれの特性を活かしながら管理部門や生産部門など多岐にわたる職場で活躍しています。

さまざまな障がいのある従業員が活躍している背景には、同社の選考プロセスに寄るところが大きいといえます。本社人事部が中心になり、障がいのある応募者との面談を行い、障がいにより「できること」と「できないこと」を把握した上で、どういった工夫をすれば働くことがスムーズになるのかを検討するなど、丁寧な選考を実践しています。
選考の場面で応募側と企業側、お互いの情報をオープンに開示することにより、ミスマッチを無くす努力をしているそうです。

また、発達障がいのある求職者に対しては、選考過程で実際に職場体験を積極的に受付し、就業を通じて実際の勤務が可能かどうかを確認してもらうことで、長期就業をめざす工夫も施しています。

グループ全体で知見を情報共有し、
障がい者が働きやすい環境づくりに挑む

積水化学工業ではさらなる障がい者雇用を促進するためにグループ全体の障がい者雇用に対する強化も図っています。その代表的な取り組みがグループ会社間の情報共有です。

「積水化学工業では、当社だけでなくグループ全体の障がい者雇用推進にも注力しています。そのためには障がい者を受け入れる態勢を更に整備していかなければなりませんが、1社だけの知見やノウハウでは限りがあります。そこで、こういった障がいのある方にはどのような配慮は必要であるのか、どのような環境を整えればいいのかなど、各社に蓄積されたノウハウを共有できればグループ全体で障がい者も周りの従業員もさらに働きやすくなると考え、情報共有に向けた取り組みもスタートさせています。」

そういったグループの取り組みを説明するのは人事部の津滝さんです。
当然、グループ企業のなかでも中心的な役割を担ってリーダーシップを発揮しているのは親会社である積水化学工業ですが、今後さらにグループ全体の方針を一本化し、障がい者雇用の推進に向けて取り組んでいくとのことです。

また、一人でも多くの障がい者の雇用創出に向け、農園での障がい雇用も進めるなど、既存の業務にとらわれず、新たな取り組みに挑戦している積水化学工業。
多くの障がい者が活躍できる場の拡大をめざして、今後も障がいのある社員が活き活きと働くことができる環境づくりや活力あふれる組織づくりに挑んでいくことでしょう。

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