障がい者雇用の取り組み vol.074
2018/04/27

障がい者雇用の
経験を核として
「戦力化」の推進に
鋭意取り組む

プロフィール

TOTOバスクリエイト株式会社

総務部総務課 課長
小川 正人

鈴木 智春

グループが掲げる障がい者雇用の方針に沿って
新たな採用を2012年からスタートさせる

おがわさん2009年、TOTOグループでは「2017年度までに、グループ全体で障がい者雇用率を2.5%にする」という目標を設定し、2014年度に達成しました。

TOTOバスクリエイトは、そうしたTOTOグループの一員として、ユニットバスルームの設計・製造を行っている会社です。本社は千葉県佐倉市に置かれています。

「グループでの目標を受け、新たな採用活動方針を決定し、2012年から本格的に活動を開始しています」
こう話すのは、総務部総務課の小川正人課長です。

「本社の近隣に特別支援学校があり、そこの生徒を採用していくことで活動をスタートさせました。働いていただくのは本社の佐倉工場。採用前にまず行ったのは、製造現場を中心とした全職場での“仕事の切り出し”です。ユニットバスにはさまざまなパーツが使われます。そうした部品のピッキングやバスルームの壁を生産するライン作業などが選ばれました。そのうえで春と秋の年2回、実習の期間を設けて支援学校の生徒に切り出された仕事をやってもらい、現場で『この人なら大丈夫』との判断をへて採用を行ったわけです」
最初の採用は、2013年の4月でした。

雇用する障がい内容の幅を広げる際に、どの障がいにも共通して重視される要件の上位は、「支援機関など、外部機関との関係性強化」「新たな業務の切り出し」「業務手順の見直し」「業務および生活面での相談・面談の機会を設ける」です。これについて小川さんにうかがいました。
「仕事の切り出しは、障がいのある方に向けて特別な業務を作ったわけではありません。お話ししたように、従来からある製造業務の一部、つまり欠くことのできない仕事をやってもらっています。ただ、たとえ一部であってもきちんとやってもらえるよう、明確な作業手順書を作りました」

「外部機関との関係性強化」と「相談・面談の機会を設ける」に関しては、「可能な限り長く働いてもらう」ことと関係しています。
「長く働いていただくには、仕事と生活面での支援が不可欠です。そのため、職場で先輩社員の中から1人“指導係”をお願いし、プライベートの悩みなども含めて相談にのってもらっています。また、指導係が付かない障がいのある方に対しては、年に1度面談の機会を設けています」(小川さん)

面談は、総務部総務課の鈴木智春さんの担当です。
「職場環境については、ほとんど要望はありません。職場の方たちの理解と配慮が行き届いているので十分満足している、と皆さんおっしゃいます。設備面での要望が若干ある程度ですね。また、長く働いていただくためにはどうしたら良いかというテーマに対しては、外部機関との連携で解決に取り組んでいます。私たちと支援学校の先生だけでは解決が困難なことに関しては、ジョブコーチに相談し専門機関を紹介してもらうなどの対応をして、問題を解消することで長期雇用につなげていけるように取り組みを行っています」
18歳で入社した人の何十年後までの将来を見据えての活動。TOTOバスクリエイトでは、この重要なテーマに鋭意取り組んでいるわけです。

障がいのある人の成長を支援することで
企業としてのさらなる発展を図る

すずきさん同社の障がい者雇用には、現在、もう一つ大きなテーマがあります。それは「年代層の空白の解消」です。

「障がいのある方の雇用は、会社設立当初から行っていました。雇用者数も少なくはないのですが、徐々に年齢が上がってきています。また、職域も製造現場、CAD・3DCADを利用した製図業務が大半でした。この両者を解消するには、やはり新卒者の採用が不可欠になります。新卒の方に入社していただき、人事、総務、経理、さらにはパートナーの生産管理や部品調達、工場内の生産計画などの企画・事務職、生産技術にかかわる技術職などの広い分野で働いていただく。総合職として新卒の障がいのある方を積極的に採用することにより課題の解消を実現させていきたいと考えています」と小川さんは話します。

新卒採用は、今後予定される雇用率改正への対応や企業の社会的責任の遂行も当然ですが、それにとどまるものではないと小川さんは強調します。
「新卒の方に総合職として長く働いていただくことは、戦力として活躍していただくことを意味します。障がいに対する物理的な配慮は当然ですが、当社では職場の理解とサポート体制も相当程度浸透しています。したがって、あとは個々人の強みを存分に生かして仕事に向かってほしい。当社で働くことにより、自己実現が達成できればご本人にとっても幸せなことだと、私たちは考えています」

障がいのある新卒者の採用活動は、2015年度から取り組み始めています。それ以前から、TOTOバスクリエイトでは、さまざまな障がいのある人たちが働いています。すべてに共通するのは「長く働いてもらうこと」という企業姿勢。年を追うごとに、その輪が広がり続けています。

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