障がい者雇用の取り組み vol.89
2019/09/03

さまざまな人材の
成長を実現させる
企業理念を核に
雇用を推進

プロフィール

株式会社公文教育研究会

人事部採用育成チーム リーダー
五十嵐 健大

企業理念を障がい者雇用の核として
個々の可能性と能力を最大限に伸ばす

いがらしさん株式会社公文教育研究会では、以下の企業理念(教育理念)を掲げています。

「われわれは個々の人間に与えられている可能性を発見し その能力を最大限に伸ばすことにより 健全にして有能な人材の育成をはかり 地球社会に貢献する」

「理念の示していることは、公文式教室での指導者から生徒に対して、教室をサポートする社員から指導者に対して、そして社員相互に対してというように、当社にかかわるすべての人々の関係性について共通するものです」
こう話されるのは、人事部採用育成チームのリーダー、五十嵐健大氏です。

「教室では、さまざまな障がいのある子どもたちが他の子どもたちと一緒に学んでいます。そこでは障がいの有無は関係なく、指導者が生徒一人ひとりの能力を見きわめたうえで、それぞれにマッチした学習が行われます。このように、個にしっかりと対応することは教育だけでなく、雇用でも同様です。面接に際し、私たちは障がいや性別、国籍などに対して潜入意識をもって接することはありません。見きわめたいのは、入社後、戦力として当社に貢献し、それによって自身が成長できるか、また、周りもその方と仕事を共にすることで成長していくことができるかどうかです。言葉を換えるなら、そうした人材の“原石”を発掘すること。これは、理念にある『可能性の発見』であり、ひいては『その能力を最大限に伸ばす』ことへのスタートになるわけです」

公文の理念が障がい者雇用の核になっていることが、五十嵐氏のお話を通じて十分に理解することができました。次にうかがったのは、雇用の実際、つまり障がいのある人が従事する業務の内容です。

「本社スタッフ部門での事務に関する業務が中心です。個々の障がいの内容と程度、スキルに合わせ、必要となるツールを使って業務を行っています。現在の配属先は人材育成部門、流通部門、ライン部門、グローバル部門などです。人材育成部門には視覚障がいの方、発達障がいの方などが所属しており、指導者や社員向けの勉強会に関するデータ処理、社員研修の企画・準備などの業務を行っています。流通部門では、教材に使う紙の発注、物品の発注と全国の教室への配送、PCによる説明書類の作成などの業務を担当。説明書類の作成は、現在は下肢障がいの方にお任せしています」

「事務に関する業務が中心」とのことですが、その内容は所属部門によって多岐にわたっているようです。

さまざまな人材の成長を実現させる企業風土のもと
全部門で障がいのある人が活躍できる環境をめざす

五十嵐氏のお話は、障がい者雇用の「今後」に進みます。
雇用の終着点は採用することだけではありません。採用した人材が定着し、成長してこそ「雇用が成功した」と言えるわけです。

「今、課題となっているのが“業務の切り出し”です。本社管理部門に関して、どの部門、どのチームであっても障がいのある方が活躍できる場を作っていきたいと活動しているのですが、まだまだそこまで広がっていないのが現状です。受け入れを促すため、2018年度、本社管理部門の管理職(チームリーダー)を対象に、障がい者雇用の勉強会を行いました。そこでは、たとえば『このような障がいのある方がご自身のチームに配属された場合、どのような業務に就いてもらい、またどのような配慮をしながらなら一緒に業務を進めていくことが可能なのか』という想定に対する回答を考えてもらいました。当社では、理念にのっとった企業風土がどのチームにも定着しています。繰り返しますが、それは『可能性の発見』であり『その能力を最大限に伸ばす』ことです。ですから、社員それぞれの多様な成長が、自然と実現できていると思います。それを障がいのある方の雇用育成にどう敷衍させていくか。そのために今進めているのは、管理職対象の勉強会の継続が一つ。もう一つは経営会議や役員会議における障がい者雇用の現状に関する詳細情報の提供。この情報提供を通じて、公文の企業理念から生まれた人材育成にこだわる企業風土を、障がい者雇用にどう活かしていけるか、考えてもらうようにしています」(五十嵐氏)

五十嵐氏、ひいては公文の人材採用、育成の究極の目的は「公文で働くことで自己成長はもちろん、かかわる人々の成長にも寄与し、結果として人生を豊かに過ごしてもらう」というところにあります。これに気づいた時、公文は採用活動の時点から、「さまざまな人を迎え入れる土壌での成長が、人生を豊かに過ごすという意味での定着をもたらす」ことを見据えていたのではないかと思いました。

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