障がい者雇用の取り組み vol.097
2020/08/01

環境を整え
全国で情報を
共有することで
活躍の場を
提供する

プロフィール

ENEOS株式会社

人事部ダイバーシティ推進グループ
マネージャー
中島 美代子
人事部ダイバーシティ推進グループ
人権啓発室長
須賀 省吾

全国に広がる各事業所で
誰もが活躍できる環境を整備する

なかじまさん石油元売企業として国内最大手のENEOSは、本社の他にも研究所・製油所・製造所・支店といった事業所を保有しています。これらの各事業所で積極的に障がい者を採用し、個性を活かして働ける環境づくりに取り組んでいます。同社の障がい者雇用は、お互いのミスマッチを防止するために、まず1年間の契約社員として雇用契約を結び、その後に正社員として登用する制度を導入しています。この制度によって1年間、障がい内容と業務内容のマッチングの問題をはじめ、職場での配慮の在り方などを検討し、より良い環境づくりを図っています。こうした雇用制度が、障がい者の継続勤務につながっています。

またENEOSでは、各事業所の特徴に応じて幅広い業務を用意しています。例えば、本社では法務や情報システムといった専門的な知識を有する障がい者が活躍しています。一方、北は北海道から南は沖縄まである各支店では、各種庶務業務や営業サポート業務などが中心です。また、研究所・製油所・製造所では品質管理、需給管理、工務、環境安全部門など多岐にわたる部門で多くの障がい者が活躍しています。

「こうした各事業所で働く障がい者の就業への不安に対する相談、周りに依頼したい配慮や支援してもらいたい内容などを聞き取り、改善していくのが各事業所に配置している『障害者職業生活相談員』です。相談員の大部分は各事業所の人事担当者が兼務しており、会社としても『障害者職業生活相談員』の講習受講などを呼びかけて障がい者を支援できる人材育成にも力を注いでいます。このように人事担当者が専門性を高めることで、誰もが安心・安全に働ける環境づくりに取り組んでいます」

そうENEOSの障がい者雇用について説明するのは、人事部ダイバーシティ推進グループ マネージャーの中島美代子氏です。人事部ダイバーシティ推進グループでは、障がい者を初めて受け入れる部署から要望があれば、所属する社員を対象にした受け入れ態勢のポイントなどを紹介するセミナーを開催するなど、臨機応変な対応で誰もが働きやすい環境づくりに寄与しています。

ガイドブックやセミナーで情報を共有し、
更なる継続雇用をめざす

すがさん前出した通り、ENEOSでは全国で多くの障がい者が活躍しています。また、各事業所によって働く障がい者の障がい内容も様々です。そのため各人が能力を発揮できるように、人事部ダイバーシティ推進グループではガイドブックを作成して全国の事業所に配布しています。

「より多くの障がい者を採用し、それぞれの個性を発揮していただくためには、各事業所の経験や知識だけでは限界があります。そこで、障がい者雇用におけるポイントや障がい内容ごとの配慮の在り方などを冊子にまとめて紹介することで、共に働くうえで必要な情報を共有できると考えて作成しました。同時に本社人事部が中心となって障がい者採用や雇用の勉強会を開催し、当社のダイバーシティの推進を加速させています」

と各事業所や他部門への働きかけの在り方を説明するのは、人事部ダイバーシティ推進グループ 人権啓発室長の須賀省吾氏です。ENEOSでは、こうした情報共有だけでなく、様々な制度も導入しています。例えば、定期的な通院が必要な方に対しては、有給休暇とは別に就労免除で通院できる制度を整備するなど、障がい者が安心して働ける環境づくりに力を注いでいます。こうした取り組みによって、同社での定着率は高く、継続して働くことで各人のスキル向上にもつながっています。

新型コロナ感染症の拡大により各企業で進むテレワークについても、ENEOSでは働き方改革の一環として昨年から本格的に取り組み、2020年7月現在では約5割の社員がテレワークで働いています。その中には障がい者も含まれ、体調管理の在り方などを模索しながら、新しい働き方への積極的な取り組みを始めています。

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