障がい者雇用の取り組み vol.14
2013/06/05

ダイバーシティの
推進により
個々の能力を
最大限に活かす

プロフィール

アクサ生命保険株式会社

カルチャー&ダイバーシティ推進室 部長
金子 久子

多様な人材をうけいれることは、
多様な能力を活かせること

アクサ生命保険株式会社

世界に約1億100万人の顧客をもつ世界有数の金融機関であるアクサ生命保険。同社は「選ばれる企業になる」というグループのビジョンを実現するための重要な柱として2009年からダイバーシティへの取り組みを強化しています。ダイバーシティ推進室を設置し、社員の多様性をうけいれることで、それぞれの社員が存分に能力を発揮し、お客様の多様な要望にお応えすることをめざしています。障がい者雇用についてもダイバーシティへの取り組みの一環として積極的に実践しています。人材開発本部能力開発部部長の金子久子さんは、『障がい者雇用はチャリティではなくチャンス』と表現します。

「全国の障がい者数は、政府刊行の『平成24年版障害者白書』によると約740万人といわれています。こうした方々により良い保険サービスを提供するためには障がいのある社員の経験や考え方が大切なヒントになります。そういう意味で多様性を活かした雇用は、当社にとっては大きなチャンスとして捉えています」

例えば、聴覚障がいのある社員の意見を反映した『マネー講座』を開催。同講座では手話でコミュニケーションを図り、パンフレットにはユニバーサルデザインを施すのはもちろん、読みやすい文章配置を行うなど、細やかな配慮の行き届いた講座として好評を博しています

そしてアクサ生命保険では、障がい者採用に明確な基準を設定しています

「選考過程において入念なコミュニケーションを図り、本人の意欲や能力に重点をおいた採用を行っています。ですから、障がいのある社員は社内の様々な部署で活躍しています。例えば、広報、人事、ファイナンス、マーケティング、ロジスティクスなどの本社勤務を始め、各営業所など。それぞれの配属部署で異なった能力を活かしています」

積極的な雇用を行った結果、雇用率は急伸、ダイバーシティへの取り組み強化を図る以前は1%強だったのが、現在では2%を超えています。

各職場の理解促進や
円滑なコミュニケーション手法の確立にも注力

障がいのある社員が仕事において能力を発揮するためには、周りの理解が不可欠になります。対策の一つとしてダイバーシティ推進室で「ディサビリティー・インクルージョン・プログラム」(障がい・障がい者を理解するための研修)を開催しています。

「NPO法人の協力を得て開発したプログラムを使った、一般社員が対象の研修です。車いすユーザー、聴覚障がい者、視覚障がい者についての基本的な知識を説明した上で、障がい者とのコミュニケーションのポイントや理解を深めるための体験講座などを行っています。実際に障がいのある社員が講師役となり、お互いの理解を深めて助け合う企業風土をつくっています」

また、聴覚障がいの社員が快適に働くための環境づくりとして手話教室を開催。初級と中級の2つのコースを用意し、約3カ月を1クールとしています。

「この手話教室も聴覚障がいの社員が講師になり開催しています。これまでにも多くの社員が参加し、今では手話が、日本語、英語に続くコミュニケーション言語として利用されるまで浸透しています」

これらの取り組みを行うことで判明したのは、多様な人材を取り入れ、戦力化を図る上で管理職のマネジメント能力とリーダーシップが重要であること。

『多様な人材の個性や能力を活かしながら協力体制を築く』という管理職に求められるスキルの向上にも、積極的な障がい者雇用が役立っています。

「ここ数年の取り組みによって、すべての社員が協力しながら働くための土壌づくりはある程度できたと感じています。今後の課題は定着と成長がテーマになると考えています。これまでは個々の対応や環境づくりが中心でしたが、今後は障がい者への適切な評価制度などの仕組みを整えることに力を注ぎたいと考えています」

ダイバーシティへの本格的な取り組みから、わずか数年で企業文化も一新させたアクサ生命保険。次のステージに向けた新たな取り組みがすでにスタートしています。

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