障がい者雇用の取り組み vol.24
2013/09/10

障がいのある人が
生き生きと働ける
源泉は"一体感"と
"仲間意識"にある

プロフィール

京セラ株式会社

人材開発部長
大西 実

すべての社員が共に働く仲間として
一体感をもって業務に取り組んでもらう

京セラ株式会社お話をうかがったのは、人材開発部長・大西実さん。場所は、携帯電話の開発設計及び通信技術の基礎研究を行っている横浜事業所です。

冒頭、大西さんは「ついこの間、横浜事業所で納涼祭を行いました」といわれました。京セラの全国の事業所では、毎年、納涼祭・夏祭りを開催しています。この催しには、地域の住民も来訪。横浜の場合、参加人数は住民の方も合わせ4000人を超えるそうです。これに加え、秋になると、北海道から九州まで10カ所以上の会場で社内運動会が盛大に開催されます。最初の運動会は、創業から4年半後の1963(昭和38)年10月、京都で行われました。以来、半世紀にわたって運動会は開催され続けています。

「京セラは、町工場からスタートしました。創業者の稲盛和夫は、当時のさまざまな体験から"一体感"や"仲間意識"をとりわけ重要と考え、以後、企業経営の核としてきました」

京セラでは創業以来、雇用を大切にしてきました。理由は単純明快で、従業員はすべて"仲間"だからです。夏祭りなどの社内行事は、こうした一体感や仲間意識の醸成を目的としています。

「一体感や仲間意識を大切にする考え方は、障がい者の採用・雇用に関しても一貫しています。障がいのある方に配慮した働きやすい環境を整えることはもちろんです。ただ、決して特別な存在とすることはせず、京セラという会社で共に働く仲間として迎えます。すべての社員が、同じ職場で仲間たちと一体感をもち、生き生きと業務に取り組んでいただく。そのプロセスの中から、一人ひとりにやりがいをもってもらう。もちろん、仕事をしていく中で悩むこともありますし、上司や先輩などから叱られることもあります。しかし、決して見捨てることはありません。稲盛は"大家族主義"を標榜しています。家族であれば、親が子を叱るのは当然です。叱るのは、この子を立派に成長させたいという愛情の発露に他なりません。ですから、会社を家族と思ってもらえばよい。これが京セラの"大家族主義"です」

大西さんは京セラを「成果主義をもっぱらとする欧米型の企業ではない」といわれます。その意味については、明らかであり多言を要しないでしょう。

「話しやすい環境」を通じて
障がいのある従業員の"気持への配慮"を行う

京セラの障がい者雇用に関する考え方は、あくまでも変わらない経営理念に基づくものです。

「京セラでは面談制度が非常に充実しています。たとえば横浜の場合、入社初年度には3回、総務の人間が面談を行います。上司にいいにくいことがあったとしたら、この場で忌憚なく話をしてもらい、対応を考えます。また上司とは、この1年、どんな仕事に取り組みたいかを話し合う"チャレンジ面談"を実施。上司は『その仕事をやるのであれば、こうしたことを勉強する必要があるね』というように、具体的な形でアドバイスを与えます」

面談は、従業員共通の制度であり、障がいのある従業員に関しては、必要な配慮を欠かすことはありません。

「スロープの設置など物理的設備や通院の配慮などは、当社に限らずどの企業もやっておられることでしょう。面談を重ねることも含め、京セラが大切にしているのは、意見や考えをいいやすい環境を作ることです。物理的な配慮を整えるのは当然として、私たちがもっとも重要としているのは"気持への配慮"です。上司や周りの人間が、対話も含めその人をしっかりと見つめていればおのずと話しやすい環境が生まれ、その人への理解が進みます。その結果として、ごく自然に気持への配慮が行えるようになると思っています」

大西さんは前述の面談制度を紹介する際「たとえば横浜の場合」といわれました。これは、すべてにわたり、各事業所・工場が独自性をもって活動しているからです。障がい者の採用・雇用も例外ではありません。

「例えば滋賀の工場では、障がいのある方が事前に会社の雰囲気や仕事の内容を把握し、安心して働いていただけるようインターンシップを導入しました。こうした事業所ごとの工夫に関する情報は、全事業所の人事部門で共有されています。ある工夫を『これはうちでもやってみたい』という場合は、それをそのまま取り入れるのも、各事業所にマッチする形にアレンジするのも自由です。さまざまな工夫が重なり合って1つの大きな流れになっていく。あくまでも現場の担当者が中心になって風を起こし、本社はその支援に徹する」

ここでも"大家族主義"の考えが浸透していることがわかります。

「京セラに入社した方には、全員、会社を好きになり当社での会社人生をまっとうしていただきたい。そして退職される時『この会社で働いてきて本当によかった』と思ってもらう。そうであってこそ『雇用した人たちの人生に責任をもつ』という企業の使命が果たされたといえるのではないでしょうか」

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